BtoB企業に求められるデジタルマーケティングとは?

 2024.01.17  デジタルビジネスシェルパ

BtoCのみならず、BtoB企業においてもデジタルマーケティングの活用で、ビジネス拡大を実現する企業が増えてきています。一方で、マーケティングオートメーション(MA)やセールスフォースオートメーション(SFA)、メール配信ツールなどマーケティングシステムの導入が目的化してしまい思ったような成果を出せていない企業も多数見受けられます。本記事では、BtoB企業のデジタルマーケティングにおける重要な要素について解説します。

BtoB企業に求められるデジタルマーケティングとは?

デジタルマーケティングソリューション

MAは2000年から米国で普及し始め、あらゆるMAベンダーが誕生しました。本格的に日本の市場に参入したのは2013年頃です。米国に比べて普及が遅れた原因として、日本ではマーケティングはBtoC向けと考えられており、マーケティングに取り組むBtoB企業は少なかったことが原因として考えられています。2013年以降は、MAを導入する日本企業が増えました。※1
しかし、いざ導入を済ませて数年間運用したものの、なかなかリード獲得に繋がらないなどの課題をよく耳にします。このような企業の特徴として、MAツールがただのメール配信ツールとなってしまっているケースがあります。展示会やWebセミナー、名刺交換などによって獲得したメールアドレスに対する、メルマガ配信だけにとどまってしまい、MAが企業の売上に貢献するまでのシナリオを設計できている企業はまだ少ないのが実態です。つまり、リードジェネレーション(見込み顧客獲得)に成功しても、後続のリードナーチャリング※2や、リードクオリフィケーション※3が出来ていないケースなどです。

※1 庭山 一郎(2022)BtoBマーケティング偏差値 日経BP

※2 リードナーチャリングとは、見込み顧客の検討ステージを高めるマーケティング施策です。具体的には、メールやセミナーなどの接点を通じて、有益なコンテンツを提供し、検討ステージを上げていく活動になります。

※3 リードクオリフィケーションとは、顕在化した見込み客から購入可能性の高い見込み客(ホットリード)を選別することを指します。MA(マーケティングオートメーション)ツールなどで自動化している場合は、顧客ごとにスコアを設定し、基準となるスコアに達した顧客をホットリードと判断しています。

BtoB企業に求められるデジタルマーケティングとは?01

なぜうまくリードナーチャリングが出来ていないのでしょうか。メールの文面やセミナーの内容が乏しいからでしょうか、それとも検討ステージが上がったタイミングを見誤っているのでしょうか。BtoBマーケティングに取り組まれている担当者の方は、有益なコンテンツの提供に対しては、非常に熱心に取り組まれております。しかし、検討ステージが上がったと判断する基準が曖昧であったり、メールの開封やリンクのクリック、ランディングページの閲覧などの形式的な基準で判断されていたりすることが多く、マーケティング担当からホットリードとして営業担当に引き継いだ際に、検討ステージが進んでいないことから商談に至らないといったことが起きてしまいます。マーケティング担当と営業担当の間で、お客様の検討ステージを判断する基準のコンセンサスが取れていないことが理由です。
では、どのようにお客様の検討ステージを判断する基準を決めたらよいでしょうか。
実はこの点が非常に重要なポイントになります。BtoB取引における購入プロセスは、BtoC取引と違い、購入検討する人、意思決定する人が複数になるケースが大半です。また、意思決定までに時間を要することが一般的です。自社の商品がお客様のどの検討ステージにあるか、誰が検討をしているのかを把握し、複合的に検討ステージを判断していく必要があります。このような情報は、メールの開封やリンクのクリック、ランディングページの閲覧だけでは判断が出来ません。営業担当からの顧客情報や、企業ごと、組織ごとに整理されたメールやWeb上での行動履歴などを組み合わせ、意思決定プロセスを想定した設計が必要になってきます。

BtoB企業に求められるデジタルマーケティングとは?02

このようにお客様の検討ステージを判断する基準を定めていく上で、すべてのお客様、すべての商品に共通の基準を作っていくことは容易ではありません。まずは、過去の取引における商材別、顧客別の購入に至るまでの意思決定プロセスを可視化することに取り組むことが求められます。また、最初からすべてのケースに取り組むのではなく、ビジネスの規模や優先度、取り組みやすいケースなどにフォーカスして、徐々に取組み領域を広げていくことが重要です。

まとめ

一般的に、マーケティング活動の中で、プロモーションやコンテンツ作成にフォーカスが寄ってしまいがちですが、BtoB企業のデジタルマーケティングには、より営業的な観点での取り組みが必要となってきます。特に過去の取引情報や、顧客情報などといったデータ活用ができるような仕組みづくりが重要になってきます。伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)ではデジタルマーケティングに役立つ製品・ソリューションの取り扱いだけでなく、デジタルマーケティングの全体設計から組織の在り方、デジタルマーケティング製品の活用サポートなど、様々なデジタルマーケティングの支援サービスをご用意しております。「BtoBマーケティングは何か始めるべきか?」悩まれているお客様と一緒に、ゴールに向かって伴走させていただきます。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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