マーケティングのデジタル化構想での
システム基盤検討について

 2024.03.21  2024.03.22

先にご説明した伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)が提供する「マーケティングデジタル化構想策定支援」で特に重要な、システム基盤の構築の重要性や構築の進め方に関して詳しく見ていきます。

マーケティングのデジタル化構想でのシステム基盤検討について

デジタルマーケティングソリューション

はじめに マーケティングのデジタル化構想策定の作業の流れ

マーケティングのデジタル化構想は、以下の作業項目で構成されており、最終的に自社のデジタルマーケティング実践に際して必要な計画の作成を目的としています。

  1. マーケティング環境の把握
  2. 現行の業務・システム把握
  3. 新たな顧客体験定義
  4. フロントエンド(施策)ToBe像策定
  5. バックエンド(システム基盤)ToBe像策定
  6. ToBe像詳細化
  7. 投資効果試算
  8. ロードマップ策定

本記事は、この構想化作業の中でも特に重要な⑤バックエンドToBe像策定、⑥ToBe像詳細化の各作業により明確化されるバックエンド(システム基盤)の内容と、その具体的な構想手順及び留意点について解説します。

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バックエンド(システム基盤)ToBe像策定の内容

当然のことながらバックエンド(システム基盤)は、その企業が構想するマーケティング施策に応じて必要機能を検討します。例えば、BtoBの電子的なマーケットプレイスを通じた販売促進を施策として展開する場合、以下のようなバックエンドが想定されます。

マーケティングのデジタル化構想でのシステム基盤検討について

図:バックエンドのToBe像(事例)

バックエンドの機能は、フロントエンド(施策)ToBe像策定に従って定義されたマーケティング実施施策に応じて必要機能が定義されます。またそれらの機能に必要なデータを外部連携先から取り込むためのインターフェイス機能も合わせて設定します。
フロントエンド(施策)ToBe像によっては、顧客やその行動履歴を管理するためのCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)などの機能を加える必要があります。CTCが提供する「マーケティングデジタル化構想策定支援」では、予めフロントエンドToBe像に伴うマーケティング施策とその実行に必要なシステム基盤をパターン化して整理しているため、上記のような可視化も含め素早くバックエンドの仮説を組み立てることが可能となっています。

バックエンド(システム基盤)ToBe像とToBe像詳細化の検討手順

バックエンドToBeの検討は以下のような手順で進めます。
⑤バックエンドToBe像策定

  1. データ洗い出し:社内で蓄積されたデータの洗い出し/各データの紐づき状況(キーデータ)/データの格納形式(テキストorルール化された文字列など)を確認します。
  2. 必要データ定義:データ活用施策実行のために必要なデータを定義する。現状所持していないデータについては、新たに取得が必要なデータと格納形式を定義します。
  3. データ活用関連基盤洗い出し:フロント側での施策実施のためのデータの所持、データの統合/分析/加工、データの活用を行うために必要となるシステム基盤を定義します。
  4. システム連携全体像の定義:顧客企業に必要なシステム/ツールとその連携方式(自動連携/ファイル連携/手動連携)を記載したシステム連携の全体像を作成します。
  5. データ流通フローの定義:顧客に対するデータ活用施策を実行に必要なデータ種の、各システム/ツール間での流通フローを定義/可視化します。

⑥ToBe像詳細化

  1. システム改修範囲の明確化:システム連携全体像/データ流通フローと、顧客の現状システムを比較し、新規システム導入、および現状システム/ツールの改修範囲を明確化します。
  2. 機能改修内容/要求項目定義:新規システム導入/改修範囲に対し、各システム基盤の機能改修内容概要と今後検討が必要な機能要求項目を定義する
  3. 業務種別/業務フロー定義:フロントエンド・バックエンドToBe像を実現した場合に発生する業務種別と業務フローを定義します。
  4. 人的/システム対応定義:施策・システム運用で人的に対応すべき業務とシステムが対応すべき業務を定義する。(業務フロー内に反映想定)
  5. 体制/必要スキル定義:定義した業務を実行する場合に必要な体制(組織・人員)や、各人員のスキルセットなどを定義します。

バックエンドを検討する際の留意点

上記に提示したバックエンドを検討する際には以下の点に留意して検討を進めることが必要です。

  1. 目的の明確化
    バックエンド(システム基盤)の検討は、通常の業務システムの検討以上にその構築目的の精緻化・明確化が求められます。これはシステム機能が実施者のマーケティング活動の成果と密接に結びついており、かつその機能の実装の如何によってマーケティング戦略の調整が必要になるからです。
  2. 検討体制の構築
    バックエンド(システム基盤)の検討には通常の業務システムの検討以上に多くのメンバー(部署)の連携が必要となります。マーケティング部門、IT部門、データ分析・管理部門等専門性や役割が違う複数の部署からメンバーを選定し検討を進める必要があります。これは一部の部門だけで検討を進めることは必要な要件が抜け漏れる可能性があり、リスクのある進め方となるためです。
  3. 計画の重要性
    必要なシステム機能を一度に構築することは、コストや人的リソースを考慮すると難しい場合が多いと言えます。例えば、ウェブサイトの改善、SEO戦略の強化、ソーシャルメディアキャンペーンの立ち上げなどがありますが、マーケティング戦略に沿って最もビジネスに影響を与える可能性の高い施策に関係する機能を優先的に構築することが必要と想定されます。このためマーケティング施策の実施効果を見極め、市場のフィードバックを素早く取り入れながらスモールスタートし、徐々に機能を拡大していく計画が必要と言えます。
  4. 他システムの連携
    バックエンド(システム基盤)は上述の図「バックエンドのToBe像(事例)」に記載した通り、様々なシステム、プラットフォーム、データ基盤と連携し、データの交換をすることが必要となります。検討の際は他システムとやり取りするデータの整合性、連携タイミング、セキュリティなどを考慮する必要があり、バックエンド(システム基盤)の範囲のみの検討ではなく、常に連携する周辺システムの状況を留意して検討を進める必要があると言えるでしょう。

最後に

以上、CTCが提供する「マーケティングデジタル化構想策定支援」作業の中で特に重要なシステム基盤の構築の重要性や構築の進め方に注目してご紹介しました。当サービスは、これら検討も含めてマーケティングのデジタル化構想を包括的に進めるサービスとして提供しています。構想や検討の作業がさまざまな制約によって進んでいない場合などお気軽にお問い合わせください。

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