Azure Virtual Desktopとは?基本情報やメリットを解説

 2021.12.03  2023.06.08

Azure Virtual Desktopとは、Azure上で使用する仮想デスクトップサービスです。Azure Virtual Desktopにはどんな特徴があるのか、そのコストや利用方法などのメリット、Azure Virtual Desktop導入の手順などを解説します。

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Azure Virtual Desktopとは

Azure Virtual Desktop(AVD)とは、2019年にマイクロソフト社が提供を開始したAzure上で実行される仮想デスクトップサービス(VDI)です。Azure Virtual Desktopはマイクロソフト社のDaaSサービスのため、パソコンやタブレットなどにインストールされているアプリケーションを利用して作業を行う場合とは異なり、アプリケーションが使用できないパソコンでも作業ができるという特徴があります。仮想デスクトップを活用すると、ネットワークを介してAzure上の仮想デスクトップにアクセスし、Azureで利用できるアプリケーションを使って作業ができます。保存したデータもクラウド上のデータセンターに保管されるため、アクセスしていないときにはパソコンやタブレットにデータが残りません。

Microsoft Azureのサービスなので、ワードやエクセル、パワーポイントといったオフィス製品と高い互換性があります。出張先やテレワーク中にも社内同様の仕事ができるため、業務の効率化が期待できます。AVDはほかにはみられない「Windows 10マルチセッション」に対応している仮想デスクトップサービスです。そのため、オフィス製品を複数用意しなくても複数ユーザーがオンラインで利用可能です。

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Azure Virtual Desktop導入のメリット

Azure Virtual Desktopを導入すると、マルチセッション接続によるコスト削減、オフィス製品との高い互換性、高いセキュリティなどのメリットが得られます。業務の効率化からコスト削減まで、さまざまなメリットによる業務改善が目指せます。

Windows 10のマルチセッション接続でコスト削減

Azure Virtual Desktopでは、Windows 10のマルチセッション接続が可能です。Azure上にある仮想デスクトップを動かすには、ホストとなる仮想マシンをAzureクラウドサービス上に構築する必要があります。Azure Virtual Desktop導入で必要な料金には、「利用ユーザー数、ホストプールタイプ、仮想マシンのスペック、OSのディスク種類(HDD・SSD)Windows 10のライセンス、オンプレミスとの接続」などがあります。

多くの仮想デスクトップサービスで、仮想マシン1台につき提供される仮想デスクトップサービスは1台分だけです。ところがAzure Virtual Desktopの仮想デスクトップサービスだけは、仮想マシン1台で複数のユーザーが仮想デスクトップを使えるマルチセッション接続が可能です。

通常、仮想マシン1台分を契約するには1人分の利用ライセンスが必要なので、5人のユーザーが仮想デスクトップを使用する場合にはマシン5台分(5人分)の利用料金がかかります。Azure Virtual Desktopの場合は、この5人分の料金が1人分で済むため、追加で仮想マシンの申し込みをする必要がなく大きくコスト削減が可能です。また、使用時間に応じて料金が変動する従量課金制でもあるため、使用時間を決定して使うことでもコストが削減できます。

社内のオンプレミス環境で使っているActive Directory ドメインサービスを継続して使う場合は、オンプレミスサーバーとAzure ADとのアカウント情報で同期をとるための接続ツールAzure AD Connectを使用する必要があります。オンプレミスのデータを仮想デスクトップで使用する場合にも、1ライセンスで複数ユーザーの利用が可能です。

Office製品であるExcelなどと互換性が高い

マイクロソフト社製品のAzure Virtual Desktopには、同じくマイクロソフト社のエクセルやパワーポイント、OneDrive、Teamsなど、オフィス製品との互換性が高いというメリットがあります。マイクロソフト社の製品をこれまでにも利用していた場合には、共有したいデータを仮想デスクトップ上やOneDriveに保存したり、Teamsで作業のチームメンバーとコミュニケーションを取りながら仮想デスクトップで作業を行ったりなど、さまざまなマイクロソフト製品と組み合わせながら効率よく作業が行えます。

セキュリティレベルが高い

Azure Virtual DesktopはAzureクラウドサービス上で利用するサービスなので、セキュリティが高いという特徴もあります。マイクロソフト社では、データセンターからインフラストラクチャ、Azureの運用において物理的な対策やシステム上の対策をそれぞれ設けています。

Azureのクラウドサービスは、世界中のサイバーセキュリティ専門家がチームとなって常に大切なデータを守っているため、高いセキュリティでの保護が可能です。クラウド保護を目的とした最新のサイバーセキュリティ情報を世界中から収集していることにより、新しい脅威にも迅速に対応できます。

毎月4,500億件もの認証ケースを収集、機械学習や行動分析、アプリケーションデータベースなどを活用したデータ分析結果から、Azureのクラウドサービスセキュリティはサイバー攻撃へのリスクに備えられる体制を整えています。

マイクロソフト社のこれらの高いセキュリティで守られているクラウド上なら、重要なデータの取り扱いも安心して利用可能です。

Azure Virtual Desktop導入の手順

Azure Virtual Desktopを導入する際には、まず必要なライセンスを取得してAzureのクラウドサービスを導入しなければなりません。必要なライセンスは種類がひとつではないため、自社に適した導入方法を選ぶのがおすすめです。

ライセンスの取得

Azure Virtual Desktopを導入するためには、「Microsoft 365 F3/E3/E5/A3/A5/Business」のどれか、もしくは「Windows 10 Enterprise E3/E5/A3/A5」のうちのいずれかのライセンスを取得する必要があります。マイクロソフト社が提供しているサービスなので、どちらかのライセンスを持っていれば利用は可能です。すでにライセンスを持っている場合には、新しく取得する必要はありません。

まだライセンスを持っていない場合には、マイクロソフト社のアカウント作成ページを開いてアカウントを作成します。

Azureクラウド基盤の導入

Azure Virtual Desktopには、基盤となるMicrosoft Azureのクラウドサービスの導入も必要です。Azureのクラウド環境を整えるためには、「Azure ID」「Azure AD Connect」「 Windows Server Active Directory Domain Controller」、また必要に応じて「ファイルサーバー」や「VPN Gateway」などのリソースも準備しなければなりません。

Azureアカウントは、マイクロソフトのアカウント作成ページから作ることができます。Azureアカウントを作りMicrosoft Azureサブスクリプションの利用を開始しておくと、Azure Virtual Desktopの導入につなげられます。

まとめ

Azure Virtual Desktopは、Azureのクラウドサービス上で使用できる仮想デスクトップサービスです。社外でもオンライン環境なら仮想デスクトップ上で効率よく仕事ができます。昨今、急速に広まるテレワークにおいても大きく役立つツールなので、ぜひ導入を検討してみてください。

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