BCP対策とは? メリットや実施方法も含めて基本を解説

 2022.12.08  2022.12.14

感染症の流行や紛争の勃発、急激な為替変動といったように、昨今の社会情勢は非常に不安定になっており、企業経営にも深刻な影響を与えています。このような不透明な情勢下で重要になってくるのが、あらゆるリスクに備えてBCP対策に取り組むことです。本記事では、このBCP対策の概要やメリット、実施のポイントなどを解説します。

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BCP対策とは

BCP対策とは、業務やサービスを阻害する何らかのトラブルが生じても速やかにその状態から回復し、事業を継続していけるように対策を講じることです。BCPは「Business Continuity Plan」の略称で、日本語では「事業継続計画」と訳されます。

防災計画と混同されがちですが、BCP対策のカバーする範囲はより包括的なものです。ビジネスにおけるリスクには、自然災害のほかにも、新型コロナウイルスのような感染症の流行、資金難や人材難、サプライチェーンに起因するトラブルなど、社内外問わず大小様々な事柄が含まれます。防災計画では地震や火事のような「人命に対するリスク」へフォーカスしますが、BCP対策では「事業の継続性」という観点から、災害も含めた「あらゆるリスク」に対策するのが主な違いです。

BCP対策の中には、上記のリスクの他にも、ネットワークやサーバ、システム、各種デバイスなど、ICT関連のトラブルに対処するための戦略も含まれます。昨今ではデジタル化やDXに取り組む企業が増えていますが、その意味ではBCP対策はDXを推進する上でも重要な取り組みです。

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BCP対策のメリット

BCP対策に取り組むことには、次のようなメリットがあります。

非常時の早期復旧が可能になる

BCP対策の第一のメリットは、非常時の復旧作業をスムーズに行いやすくなることです。非常時に冷静さを保って事態を正確に把握、分析し、最善の対処をするのは容易ではありません。むしろ焦って不用意なことをしてしまい、事態を悪化させてしまう可能性もあるでしょう。その点、BCP対策をあらかじめ講じておけば、いざトラブルが生じたときにも事前の計画に沿って迷うことなく迅速に動くことが可能になります。早期復旧して事業を継続させることで、経営面の被害を最小限に抑えられます。

企業としての信頼、評価を獲得できる

BCP対策は、顧客や取引企業からの信頼や評価を得るためにも重要です。消費者や顧客企業、取引先企業は、サービスや取引が滞りなく利用できることを期待しています。万一、それらがやむをえない事情で中断してしまっても、該当の企業に対して迅速、的確なリカバリーや、誠意ある対応を求めるのは当然のことです。

BCP対策を通して被害拡大の防止や早期復旧に努めることは、ステークホルダーのそうした期待に応え、自社の企業価値を高めることにつながります。トラブル対応を通して信頼ある企業と評価されれば、ビジネスや取引の拡大も期待できます。

重要な事業、業務を可視化できる

BCP対策は、自社における重要な事業や業務を可視化する上でも有用です。BCP対策に取り組む際には、「この業務にこのトラブルが起きたらこうした問題が生じる」というように、様々なトラブルのリスク評価をしなければいけません。

これは別の見方をすると、リスクから優先的に保護すべき事業や業務を明らかにするということでもあります。BCP対策を通して自社の事業や業務の要所を可視化すれば、経営戦略の立案や見直しをする際にも役立つことでしょう。

BCP対策の実施方法

BCP対策は具体的にどのように取り組めばいいのでしょうか。以下では、BCP対策の実施方法を解説します。

目標、方針を策定する

最初に行うべきは、BCP対策の骨格となる目標や方針を策定することです。まずは自社の事業において想定される脅威やその影響度などを考慮し、BCP対策の対象となる事柄を絞り込みましょう。

また、自社の企業理念などと照らして、BCP対策によって実現すべきことを明確にします。これは「火事に対する消火」「システム障害に対する復旧」のような実務的な目標というより、それらの作業にあたるときに何を心掛けるべきかということです。

例えば、想定されるリスクが地震や洪水などの災害であれば、「従業員や関係者の身の安全を守ること」が最優先課題となるでしょう。他方、顧客に提供しているシステムやサービスの障害に関する問題であれば、「自社の信用回復」などが重要になってきます。このように本質的な目標を定めておくことで、スピード重視の復旧で障害が再発してしまうような、その場しのぎの対応から脱却できます。

体制を構築する

次の段階ではBCP対策の策定や実施をするためのチームを立ち上げます。チームの構成は会社の規模や計画によっても変わりますが、BCP対策は事業のあらゆる側面から検討すべきなので、チームには各部門から少なくとも1名の代表者を参加させるのが望ましいでしょう。もちろん、経営層からの参加も欠かせません。

実務的にチームの取りまとめをしたり調整をしたりするのは総務部門が行うのが一般的です。また、自社だけで対応できないようなトラブルや社外に起因するようなトラブルに関しては、関係企業との連携を図ったり、いざというときの連絡先を確認したりすることも必要です。

中核事業を確認する

展開している事業が複数ある場合は、優先的に復旧すべき中核事業を確認するのもポイントです。この優先度を決める際には、「売り上げに占める割合」をはじめ、「復旧作業に緊急性を要する事業」「顧客や関係企業に与える影響度」「市場シェア」「コンプライアンス」など、さまざまな側面から考えることが大切です。

損失を分析する

実際に被害が発生したときにどのような損失が発生するか分析することも重要です。この損失とは経済的な損失だけでなく、社会的信用の低下や訴訟のリスクなども含みます。

また、復旧に要する費用や時間、労力、その復旧作業によってどこまで状態を回復できるかなども計算しておくのも重要です。

対策を検討する

続いては、個別のリスクに対する具体的な対応策を検討します。 この対策を講じる際には、被害発生時に誰が何をする必要があるのか、どこに連絡するべきなのかなど、具体的な対応や手順を細かく検討することが必要です。また、そもそも誰がどのような状況になればBCP対策を発動するのかや、その際の指示系統などを決めておくことも欠かせません。

「データのバックアップを取っておく」「テレワーク環境を整備しておく」「アウトソーシング先をリストアップしておく」など、事前対策や代替案を検討しておく必要もあります。特にICT環境については、テレワークを導入するためにも、地震などの物理的被害からデータを守るためにも、クラウド化に取り組んでおくのが有効です。

情報を共有する

BCP対策を策定したら、その情報は社内全体で共有するようにしましょう。共有の手段としては、マニュアル化が有力な方法として考えられます。

また、いざというときにスムーズにBCP対策を実践できるように訓練を行ったり、定期的にBCP対策の内容を見直したりすることも大切です。

まとめ

BCP対策とは事業の継続性を阻害するあらゆるリスクに対して講じる対策です。したがって、BCP対策においては、防災計画とは異なり、人命に関わるような災害だけでなく、資金難や人材難、システムトラブルなど、あらゆるリスクを想定します。いざというときにも迅速かつ的確に対応できるようにするためには、BCP対策に日頃から取り組んでおくことが重要です。

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