シンギュラリティとは? その時期や影響なども解説

 2022.12.12  2022.12.14

ビジネスへのAI活用が活発となり、シンギュラリティにも注目が集まり始めました。ただ、企業経営者や担当者のなかには、シンギュラリティがどのようなものなのか、いつ到来するのかなど知識が不足している方もいるでしょう。本記事では、シンギュラリティの概要や到来する時期、影響などについて解説します。

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シンギュラリティとは

シンギュラリティは英語でSingularityと表記され、日本語では技術的特異点と訳されます。AIが人間の知能を凌駕する転換点を意味する言葉であり、AI技術の進歩により人間を取り巻く環境が大きく変化するという考え方、概念です。

この考え方が広まったのは、著名な数学者や人工知能の研究家による発言です。人工知能研究で名をはせたレイ・カーツワイル氏や数学者のヴァーナー・ヴィンジ氏などがこの概念を広め、さらにソフトバンクの孫正義氏もシンギュラリティに言及したことで多くの人々が認知しました。

AI技術が進歩し、人工知能が人間の知能を凌駕すると人々を取り巻く環境が大きく変化すると言われてきました。すでに、AIが人間にとって代わるテーマを扱った小説や映像作品も数多くリリースされています。

その結果、人々の雇用がAIに奪われてしまう、社会制度が大きく変化する可能性がある、といった説もあり、注目を集めています。

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シンギュラリティが来る時期

シンギュラリティが訪れるのは2045年頃とされています。既出のレイ・カーツワイル氏は、2045年までにAIが人間の知能を上回るようになる、と提唱しています。これが2045年問題と呼ばれる説です。

ただ、これはあくまで予測であるため、実際には2045年が近づいてもそれほど大きな変化が見られない、といったことも考えられます。反対に、2045年よりも早いタイミングでシンギュラリティが訪れる、とする説もあります。

なお、2045年問題はレイ・カーツワイル氏が2005年に出版した著書で言及していますが、2017年には2029年ごろに前倒しされると主張し始めました。2000年をすぎたあたりから、AI技術の著しい進歩が見られたためと考えられます。

シンギュラリティのもたらす影響

主な影響として、これまで人が担ってきた仕事がAIにとって代わられる可能性が挙げられます。また、ベーシックインカムの導入が進む、体の一部を人工物に代替できるようになる、といった可能性もあります。

仕事に関する影響

AI技術の進歩によって、人の仕事が人工知能に奪われてしまう、といった話は以前からありました。この特異点に注目している方の多くは、仕事に関する影響を懸念しているのではないでしょうか。

たとえば、手順やルールが決まっている定型作業や単純作業、接客といった仕事はAIによる代替が可能と考えられています。ほかにも、貨物運送や調理、事務、テレマーケターといった仕事もシンギュラリティの到来によってなくなる可能性が示唆されています。

ただ、人工知能といっても万能ではありません。転換点が訪れたとしても、人間にしかできない仕事はそのまま残る可能性があります。たとえば、漫画家や音楽家といったクリエイティブな仕事をはじめ、警察や歯科医師、教師などはAIによる代替が難しいと考えられています。

生活に関する影響

生活面にもさまざまな影響が発生すると考えられています。そのひとつが社会制度の大きな変化です。AIによってさまざまな仕事の代替が可能になると、失業者が大勢発生する可能性があります。それにより貧富の格差が発生すると考えられるため、ベーシックインカムの導入が進む可能性があります。

ベーシックインカムとは、国民が生活できるよう一定額を定期的に支給する社会制度です。受給に必要な条件を定めず、誰もが一定額を受け取れるようになるため、シンギュラリティ到来後の格差を解消できると考えられています。

一方で、無条件にお金を支給してもらえるため、人々の労働意欲が低下するおそれがあります。仕事をせずとも収入を得られるとわかれば、働かなくてもよいと考える方が大勢出てきても不思議ではありません。また、そもそも支給するための財源をどのように確保するのか、といった問題も発生します。

人体に関する影響

人体の一部を人工物で代替できるようになる可能性が示唆されています。人間の脳や臓器については、現代医学をもってしてもすべてが明らかになっているわけではありません。しかし、AI技術がより進歩すれば、脳や臓器がどのような仕組みなのか、どう働いているのかといったことをすべて明らかにできる可能性があります。

その結果、人体の一部を人工物で代替できると考えられています。たとえば、代替ができないといわれていた臓器が病気などで本来の機能を失ったとしても、人工物に入れ替えられるかもしれません。人々の健康や寿命にも多大な影響を及ぼすことが考えられます。

シンギュラリティが来るとされる根拠

シンギュラリティは、何の根拠もなく提唱されたわけではありません。ムーアの法則や収穫加速の法則などが根拠となり、シンギュラリティが訪れると考えられています。

ムーアの法則

ムーアの法則とは、インテル創業者であるゴードン・ムーア氏が提唱した法則です。同氏が1965年に発表した論文のなかで、半導体の集積率は18ヶ月で2倍になるとの内容を盛り込んでいます。

この法則は、同氏自らの経験から導き出された説です。半導体はコンピュータに不可欠なものであり、集積率が2倍になるということは、コンピュータ性能のさらなる向上を意味します。そこから、やがて人類をコンピュータが凌駕する、との考え方につながりました。

ただ、ムーアの法則には限界があり、シンギュラリティ到来の根拠とするのは現実的ではない、との考えが近年では主流です。

収穫加速の法則

収穫加速の法則は、シンギュラリティを提唱したレイ・カーツワイル氏が著書で言及している法則です。新たな技術が誕生すると、それが次の技術開発につながり、いくつもの技術が集積することによって短期間での技術革新が実現する、という内容です。シンギュラリティは、こうした加速化する技術革新の向こう側に実現すると考えられています。

シンギュラリティに関する否定的な考え方

シンギュラリティには否定的な意見が少なくありません。AI技術が進歩しても、人工知能が人間と同じように考えることはない、人間のような正確な判断はできない、といった否定的な意見があります。

人間の知能を超えたAIが暴走して戦争を引き起こす、自我をもったAIが人々を支配下に置こうとする、といった内容の小説や映像作品もありますが、それが現実化する根拠は今のところ乏しいとされています。

プレ・シンギュラリティについて

プレ・シンギュラリティとは、シンギュラリティ到来前に訪れる前段階の特異点です。汎用人工知能の研究者が提唱した概念であり、2030年前後に社会的なシステムの変化が生じると考えられています。

具体的な変化として、人々が働かなくてもよくなり、貨幣もなくなると考えられています。また、エネルギーが無償で提供されるようになる、バーチャルリアリティーの世界で生活できるようになる、といった変化が起こると考えられています。

まとめ

シンギュラリティは人間の知能をAIが上回るといわれる転換点のことであり、2045年頃に到来するとされています。シンギュラリティの到来によって、人々の仕事や生活、人体などに影響があると考えられていますが、シンギュラリティそのものに対する否定的な意見も散見されます。本当に到来するかどうかはまだわからないものの、AI技術そのものは企業にさまざまな恩恵をもたらすでしょう。今後を注視しつつ、AIの活用方法や事業戦略を組み立てていくことが大切です。

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