CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)
導入のポイントとは?

 2024.02.28  デジタルビジネスシェルパ

これまで、デジタルマーケティング関連の投稿記事で、デジタルマーケティングでのデータ活用や重要性などに触れてきました。今回はデジタルマーケティングでのデータ活用で避けて通れないCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)について解説していきます。

CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)導入のポイントとは?

デジタルマーケティングソリューション

CDPが求められる背景

顧客理解やマーケティング施策へのデータ活用を実現しようとしたときに、CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)が求められる背景には、いくつかの要因が挙げられます。 まず、デジタルマーケティングのテクノロジーが進化し、消費者とのコミュニケーションが多様化しているのが要因の一つです。ウェブサイトやSNS、店舗など、デジタルとリアルのさまざまなチャネルで顧客と接点を持ち、収集される顧客データの種類や量も増加しているため、従来の方法では管理が難しくなってきています。 また、消費者のニーズが高まり、個別化されたマーケティングが求められるようになりました。
多くの企業で実現されているデータウェアハウスやデータレイクとデータ連携ツールなどを用いた汎用的なデータ活用基盤だけでは、マーケティング用途に向けた開発やデータの加工、連携のスピードには限界があります。そこで顧客体験の向上を目指す企業にとって、それらの制約にとらわれず、より顧客データを利用するための手段として、CDPが有効となります。

CDPの選択に際しては、企業のニーズに適した機能やサポートを提供されているか否かの見極めが求められます。CDPの選択ポイントについて説明していきます。

BtoC企業向けデジタルマーケティング支援概要
BtoB企業向けデジタルマーケティング支援概要

CDPの基本機能と付随機能

まず、当然のことですがCDPのもっとも重要な機能であるデータ統合機能を重視しましょう。顧客の解像度を上げ、シームレスな顧客体験を提供するためには顧客データの一元化が不可欠です。データ統合機能のポイントは以下の通りです。

  • 複数のデータソースからデータを収集・統合できること
  • リアルタイムでのデータ連携が可能であること
  • データクレンジングや重複データ排除機能があること

次に、分析機能も考慮に入れるべきです。データを用いて仮説を検証し、顧客理解を深める施策の有効性を確認するなど、多様なデータの活用を容易にする必要があります。分析機能のポイントは以下の通りです。

  • セグメント分析機能があること
  • クラスター分析などの高度な統計処理機能があること
  • パーソナライゼーションのための機能が備わっていること

また、データを利用したマーケティング施策のために、施策を実行するツールなどとの連携機能も重要な選択基準の一つです。CDPとその他のマーケティングツールが密に連携して施策を実行することで、顧客体験の向上が期待できます。アクション実行機能におけるポイントは以下の通りです。

  • EmailやSMSなどのマルチチャネル対応ができること
  • 自動化機能を有していて効率的な運用が可能であること
  • 各種APIとの連携が容易であること

最後に、導入後のサポート体制も確認しておきましょう。CDPは導入初期での最適化や運用方法の学習が重要となります。サポート体制のポイントは以下の通りです。

  • 導入支援が充実していること
  • 継続的な運用支援が受けられること
  • 国内外の法規制やプライバシー対策に対応していること

CDPの基本機能と付随機能

CDPの分類

現在、市場には様々なタイプのCDP製品が存在しており、基本機能が網羅されているオールインワンを志向するもの、データ蓄積・統合に強いもの、MAツールやレコメンドエンジンなどの機能を含むもの、分析に強いものなどありますが、製品ごとに機能的な特長だけでなく、価格体系やサポートなどの違いがあるため、目前の実現したいことだけでなく、将来的に実現したいことや運用なども考慮し慎重に選択する必要があります。また、時間の経過ともに各製品がアップデートされその差が小さくなることも考えられるため、選定にあたっては各製品のロードマップについても考慮すると良いでしょう。

CDP構築の難しさ

市場のCDPツールを評価するだけでは見えてこない、CDP構築には特有の難しさがあります。

  • 自社のシステム環境面…多くのCDPツールはクラウドベースですが、自社のシステム環境の多くはオンプレミスで構築されているケースも多く、自社からクラウド、クラウドから自社のデータの流れと流量を踏まえてCDPを構築する必要があります。
  • 顧客情報の名寄せ…顧客データを統合するにあたって、社内システムで分散して顧客データを保持している場合や、顧客マスター内で重複してデータを保持している場合などは名寄せが必要となります。顧客情報が法人なのか個人なのかによって大きく異なりますが、名寄せの判定条件、必要なデータ構造、名寄せ処理のタイミング、目視チェックの実施等について検討する必要があります。
  • データ分析性能(大量データの高速分析)…データ構造による性能劣化、DB構造上の性能低下、そもそもデータ量が多すぎるなど、性能低下の要因は様々です。事前に性能を確認しておいた方がよいでしょう。製品によって大量なデータ処理への対応に違いがあるので、どの程度の性能が必要となるかを明らかにしておく必要があります。
  • データ連携機能(リアルタイム性の実現)…リアルタイム性の追求もコストに影響する要因となります。どのデータについてリアルタイムな処理を行うかは実行したいマーケティング施策より変化します。また元のデータを保持するシステムの制約によって、リアルタイム性に限界がある場合もあります。データ連携元側の対応可否を踏まえた上で、実現するリアルタイム性のレベルを決定することが必要となります。

現状で全ての要件を満たし、お手頃なコストで手に入る製品を見つけるのは難しいため、選定にあたっては導入の目的・用途などを明確化し、自社システム環境・必要機能・運用体制に適合したCDPツール選択が重要となります。

まとめ

CDPはマーケティングのデジタル化において中心的な役割を担うツールですが、それでもCDPを導入するだけではゴール達成にはなりません。CDP以外のツールとの組み合わせと活用の目的・イメージを明確にすることによって、目指す姿が実現できるものとして、複数のCDPベンダーを比較検討し、企業の状況や課題、将来の展望に最適なCDPを選択することが、成功への道筋をつけるために不可欠です。
CTCでは、CDPの導入・活用を始め、デジタル化の構想について、マーケティング施策と必要なデータ・テクノロジーについて、フレームワークを用いて効率的に質の高い検討を支援します。POCや伴走支援など、各企業様の現在地に柔軟に対応できるご支援メニューをご用意していますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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