業務改革(BPR)とは?業務改善との違いや進め方を徹底解説!

 2022.05.18  2022.08.19

業務改革の必要性を感じているものの、何からどう着手すべきかが分からなかったり、取り組むべき課題は明確になっていてもなかなか実行に移せなかったりする企業は少なくないようです。業務改革は大規模なプロジェクトとなるため、成功させるために必要な基礎知識をしっかりと身に付け、企業の成果向上を実現に導きましょう。

業務改革(BPR)とは?業務改善との違いや進め方を徹底解説!

デジタルトランスフォーメーション(DX)に 取り組むエンタープライズ企業の成功と挫折の現状

業務改革(BPR)とは?

近年よく耳にするようになった「業務改革」は、英語圏で「BPR(Business Process Re-engineering)」と呼ばれています。既存の業務内容やプロセス、組織の構造、ビジネスを行ううえで欠かせないさまざまな戦略など、企業全体の活動を根本的に見直して再設計することを目的とした取り組みのことです。業務改革を成功へと導くには、これまでのやり方にとらわれることなく、目指す方向性をしっかりと定めてから実施しなければなりません。

BPRの概念は、1990年代の初頭に生まれたといわれています。マイケル・ハマー博士(元マサチューセッツ工科大学教授)とジェイムズ・チャンピー氏(経営コンサルタント)の著書である『リエンジニアリング革命』のベストセラーがきっかけとなり、世界中にこの概念が広まりました。働き方改革を推進する企業にとって、生産性の向上は重要な課題の1つです。目まぐるしく変化するビジネス環境の中で、企業が成長し続けるには時代に合わせた抜本的な改革が必要です。

業務改革では、従来の構造を壊してゼロから再構築していくため、そのプロジェクトは非常に大規模なものとなります。最近では、より良いBPRの実施を目指して、業務プロセスの現状を正しく把握したうえで変更・改善を継続的に行うBPM(Business Process Management)という手法も登場しており、今後その必要性はますます高まってくるものと考えられています。

業務改善との違い

業務改善と混同されがちな業務改革ですが、どのような点に違いがあるのでしょうか。両者に明確な違いは存在しないものの、取り組みの対象範囲が異なります。業務改善では、組織全体のプロセス自体に問題がないことを前提としています。特定の業務が停滞する原因を見つけ出し、効率化を図って生産性の向上を目指す取り組みが業務改善です。

一方、業務改革では、業務の一部分だけでなく、組織全体のプロセスに目を向けて抜本的な改革を目指すものです。すでに業務改善ができている部分も含め、すべてを再編成していかなくてはならないため、積極的に取り組みを進める企業が少ないと予測されます。慣れた業務プロセスから脱却する必要があるため、従業員の同意を得るのが難しいといった例も少なくないようです。

多くの企業には、長年の経験で培われたノウハウを基に組み立てられてきた業務プロセスがいくつも存在します。しかし、企業を取り巻く環境は常に激しく変化しているため、これまでの業務プロセスが現在のビジネス環境に適しているとは言い切れません。時代に適応できていない業務プロセスを継続していくと、慢性的な人手不足やコストの増加を引き起こし、企業の経営を圧迫する事態にも陥りかねないのです。

近年では、ワークライフバランスが重視される傾向にあり、テレワークの導入や長時間労働の是正など、より良い働き方に対するニーズが高まりを見せています。少子高齢化の問題を抱える日本企業にとって、多様化する働き方に対応していくことは、労働力を確保することにも直結してくるでしょう。そのため、今後も多くの企業において、業務改革の必要性は増してくるものと予測されています。

なぜBPRが注目を集めているのか

上述したように、さまざまな社会的背景により注目を集めているBPRですが、これまで日本ではどのように取り組みを進めてきたのでしょうか。世界的にBPRの概念が広まった1990年初頭は、日本のバブル崩壊の時期にあたります。『リエンジニアリング革命』で叫ばれたBPRの重要性は、大きな変革を必要としていた日本にも受け入れられました。

しかし、当時の日本におけるBPRの取り組みは、大量のリストラを促す結果になるなど、成功したとは言い難いものでした。このように、1990年代には成功例の少なかったBPRですが、現代ではデジタル技術の発展に伴いスムーズに導入できるBPRツールも多くリリースされています。また、政府が主導する働き方改革の取り組みとも相性が良いため、改めて注目する企業が増えているのです。

さらに、デジタル化が進む昨今では、ビジネス環境が変化するスピードも加速傾向にあるため、古い業務プロセスからの脱却を迫られている企業も多くなっているようです。2025年の崖が目前となった今、企業は積極的にDXを推進していく必要があります。日本経済の停滞を回避するためには、働き方改革の促進による業務効率化の実現や、働き方の多様化に対応できる環境の整備に社会全体で取り組まなくてはなりません。

このような理由からBPRという経営手法に期待が高まり、再びそのニーズが拡大してきていると考えられます。成功すれば大きな効果が見込めますが、プロジェクトの開始から終了するまでに、1年以上かかるケースも珍しくありません。難易度も高く、大規模なプロジェクトとなるため、チームを立ち上げて集中的に取り組む必要があります。社内リソースの状況によっては、BPRに詳しいコンサルティングへ依頼したほうが効率よくすすめていけるでしょう。

業務改革に欠かせない観点

業務改革を実施する目的は、企業活動全体を見直して改善を図り、定めた目標を達成することです。そのため、業務改善よりも広い視野が求められます。ここでは、業務改革の定義に基づく4つの観点を紹介します。

業務の必要性と意義を明確にする

「なぜそれを行っているか改めて問い直す」ことはとても重要です。これまでのビジネスを成り立たせてきた既存の業務プロセスは、そのままでも役割を果たすものです。しかし「なぜそのやり方なのか」まで深く掘り下げ、既存の業務プロセスの必要性や意義をもう一度考え直しましょう。業務改革は全社的な視点で取り組まなくては大きな効果が見込めません。企業理念や組織体制をはじめ、あらゆる見直しが必要です。

思い切って古い習慣を捨てる

部分的・表面的な変革だけでは業務改革の効果は実感できません。大規模な改革を実行するには「思い切って古い習慣を捨てる」ことが重要です。どの企業にも、これまで習慣的に行ってきた業務が大なり小なり存在します。しかし、その業務や組織がなぜ必要なのかを明確に説明できないのなら、思い切って排除するようにしましょう。業務改革では、必要性を的確に見極めるための軸が必要です。現代のビジネス環境に適した業務プロセスや組織を構築し直してこそ、大きな効果が期待できます。

大胆な改革

業務改革は「プロセスをゼロから再設計する」ために実行するものです。現行のプロセスや慣れた仕組みを考慮するのではなく、業務の大半を改善してデザインし直す視点が必要です。目先の効率化ではなく、長期的な目線と幅広い視野を忘れないようにしましょう。業務改革の成功は、小さな改善では得られないような大きな効果をもたらします。

最善のルートを見つけ出す

企業が経済力を維持・向上させていくために「顧客に価値のあるアウトプットを創出する」ことは非常に重要です。業務改革を進めていくと、業務の細分化が非効率を招く要素になっていたことが発覚するケースも少なくありません。業務の洗い出しを行い、ビジネスプロセスを単純化すれば大幅な生産性アップも見込めるようになります。業務の単純化に大きく貢献するのが現代のIT技術です。IT技術を用いれば、複雑化・細分化した業務でもシンプルに再設計できるはずです。

長年受け継がれてきた組織の構造や、慣れたプロセスであっても、必要な理由が存在しないまま継続していけば企業のリスクにつながります。社員からの反発を受ける可能性も十分に考慮して、適切に対応できる体制も整えておきましょう。

業務改革を実施するメリット・デメリット

抜本的な改革を行う業務改革は、1つの改善が多方向のメリットにつながりやすいのが特徴です。そのため、プロジェクトの成功時には非常に大きな効果が実感できますが、デメリットがあるのも事実です。あらかじめどのようなデメリットがあるのか理解しておけば、事前に必要な対策を講じられるでしょう。

業務改革を実施するメリット

業務改革のメリットとして、真っ先に挙げられるのが業務効率化です。日常的に行われている業務の洗い出しや組織構造そのものを見直してみると、予想外の業務が生産性を低下させている場合があります。中には、非効率的な手法にもかかわらず、その事実に気づかないまま惰性的に続けてきたというケースも潜んでいるでしょう。業務全体を最適化すると、飛躍的な生産性アップが見込めます。生産性を阻害している要因を抽出して適切に対処すれば、組織のパフォーマンス力は大きく向上するはずです。

社内リソースに負荷がかかり過ぎているのなら、ノンコア業務をアウトソーシングするBPO (Business Process Outsourcing)の採用も視野に入れてみるとよいでしょう。経営資源を統合的に管理して効率化を図るERP(Enterprise Resource Planning)の導入も業務改革の推進に有用です。業務改革では、顧客視点で業務プロセスを刷新するため、顧客ロイヤリティの向上も期待できます。顧客の不満要素を改革により排除できれば、新たな価値を提供できるはずです。

また、業務効率の向上は労働環境の改善にも結びつきます。劣悪な労働環境は生産性の低下だけでなく、モチベーションやクリエイティビティにも影響を及ぼします。雰囲気のよい職場づくりが社員の満足度アップにつながれば、離職防止にも効果的です。これまでの縦割り組織は非効率に陥りやすいものでした。組織全体の効率化が実現できれば、コストの削減や意思決定の促進など、さまざまなメリットが享受できるでしょう。

業務改革を実施するデメリット

業務改革の取り組みが、企業にとってデメリットとなる点もいくつか存在します。業務を単純化して効率性を高めていくには、既存システムの置き換えや新しいツールの導入を必要とするケースが大半です。システムを導入するためには、相応の初期費用が必要です。また、業務をアウトソーシングする場合には、委託費用も予算に組み込まなければなりません。

業務改革における最終的な目的は、多くの顧客を獲得して業績を上げることです。コストを考える際は、日常的な効率化が将来どのような成果につながるかといった中長期的な目線を忘れないようにしましょう。土台から仕組みを作り直すような大きな変革に対して、抵抗を示す社員もいるかもしれません。業務プロセスの変更や新たなシステムに慣れるまでは、現場の混乱を引き起こす可能性もあります。

全社員に今後の変更をしっかりと告知したうえで、業務改革を実施する重要性について理解してもらえる場を設ければ、このようなデメリットは回避しやすくなるでしょう。

業務改革の主な手法

業務改革には、代表的な6つの手法があります。ビジネスの成功に向けて体制を再構築するには、多くの時間と労力を要するだけでなく、一度プロジェクトをスタートさせれば中断はできません。抜本的な改革を必要とするBPRは、トップダウン型で慎重に推進していく必要があります。ここでは、業務改革によく用いられている手法を紹介します。

見える化

現状の業務プロセスを正しく把握するためには「見える化」が不可欠です。BPRの実施においても、複雑化・細分化した業務プロセスを検証して課題を見つけ出すためには、情報の可視化が有用です。

アウトソーシング

BPRには、人的リソースで解決するのか、IT技術で解決するのかといった判断が求められます。ここで指す人的リソースの中には、優先度の低い業務を「アウトソーシング」する考えも含まれています。ランニングコストこそ発生しますが、社員がコア業務に注力できる環境を構築することで、効率的に生産性の向上を目指せるようになるのです。

シェアード・サービス

複数のグループ企業を保有している場合には「シェアード・サービス」の実施が効果的です。人事や総務など、間接的な部門を一か所に集めて業務を遂行する方法をシェアード化といいます。業務のシェアード化は、拠点間で生じる認識の相違をなくすのに有効です。また、データの一元管理が実現すれば大幅な効率化も見込めます。人事評価を一定の基準にすることで、適材適所の配置も実現するでしょう。

ナレッジ・マネジメント

これまでのビジネスにより積み上げられてきた知識や経験、ノウハウなどは、部門や社員によって異なります。企業の隠れた財産とも称されるナレッジを部門横断的に共有できるようになると、顧客対応の強化に結びつきます。このような「ナレッジ・マネジメント」の導入は、非定型業務の生産性向上に大きな効果を発揮するはずです。

シックス・シグマ

統計学に基づいて品質を管理していく「シックス・シグマ」は、アメリカのモトローラ社が開発した手法です。主に製造業を中心として導入されている方式ですが、組織全体のムリ・ムダ・ムラを排除していくアプローチ方法は幅広い業界に適用できます。顧客の不満に伴う売上の損失を算出して改善することにより、どれだけ利益が変わってくるかを示す“不良品質コスト”という指標を用いて、高品質な製品の安定的な提供を目指します。

BSC(バランススコアカード)

「BSC」は、経営戦略のプラス要素となる人材の育成方法を客観的に判断し、組織力の強化を実現に導く業績評価手法です。業務改善による生産性アップや顧客満足度の向上が見込めるため、BPRの実施にも取り入れられています。

この他にも、BPRに有効なフレームワークは多数あります。何を目的とするかで利用するフレームワークは異なるため、自社に適した手法を選択するようにしましょう。大規模な改革に不安がある場合には、スモールスタートから開始するのも有効な手段です。

業務改革の基本ステップ

業務改革を効率的に行う5つのステップについて解説します。目標の設定から効果測定に至るまで、それぞれ何をするべきなのか理解を深めておきましょう。BPRでは、問題意識に対する個人差もなくしていく必要があります。さまざまな情報を適切に共有し、認識を合わせていくことで、効率的よくゴールを目指せる体制が整います。

ステップ1

「検討」の段階では、具体的な目的や目標の設定、改革の対象とする業務の範囲を設定しましょう。プロジェクトの全体的な計画を練っていく最初の段階では、現場の社員からは業務の改善すべき点、経営層からは企業戦略の改善点をヒアリングして内容をまとめます。さまざまな立場から意見を出し合うことで、企業戦略に沿った目的や目標が設定しやすくなるはずです。

最終的な目的や目標が曖昧なままプロジェクトを進めると、途中で迷いやブレが生じて思うような結果に結びつかない可能性があります。BPRの必要性を認識してもらうために、目的や目標を明確化して社内全体で共有すれば意思の統一にも有効です。

ステップ2

業務フローの「分析」は、BPRの推進においてとても重要なステップです。業務フローの分析では、業務の内容や量だけでなく誰が担当しているのかといった情報まで可視化します。業務体系表を用いた業務棚卸しの実施や部署にヒアリングを行い、他部署と重複している業務や多くの時間を要する業務、実際には価値のない業務など、多角的な視点から課題を洗い出します。足りない情報があれば、アンケートを行って補うのも1つの方法です。

このとき、可視化した業務の量を基にABC分析を実施すれば、優先的に解決すべき課題が明確に把握できます。また、企業が掲げるビジョンと戦略の実現に向けて、顧客に対してどのように行動すべきかなどを判断するBSCもよく用いられている分析手法です。

ステップ3

現状の分析により課題を把握したら、改善に向けた戦略を策定してプロセスを「設計」していきます。業務改革のプロジェクトは大がかりとなるため、やり直しが発生しないよう、思いつく限りの戦略を出して全員が納得したうえで決定するのが理想です。この段階では、バラついたプロセスの標準化やノンコア業務のアウトソーシングも検討します。

BPRをスムーズに進めるには、各部門で連携を取りながら社内全体で共通認識を持つことが大切です。解消すべき問題点が多く見つかった場合には、上述したフレームワークを用いるなどして、効果の高いものから優先的に進めるようにしましょう。

ステップ4

ここまでの準備が整ったらいよいよ「実施」の段階です。大規模なプロジェクトとなるBPRは、目的の達成までに相応の時間を要します。中間目標を定めておけば、短期的な実施の効果が把握しやすくなり、モチベーションを維持しやすくなります。さまざまな立場の社員同士でコミュニケーションを取り、軌道を外れないように、BPRの必要性と目標を確認しながら進めていくことが大切です。

ステップ5

施策を実施したあとは「モニタリング・評価」を行います。BPRは、モニタリング・評価のステップで一連のプロセスが完了します。設計したビジネスプロセスに問題はないか、これまでのプロセスと比較してどれほどの成果があったかを詳しく検証しましょう。問題が発生した際には、その原因を突き止めて適切に対処します。

検討のステップと同様に、各部署にヒアリングを行って情報を共有し、目標の達成度を評価して業務の振り返りにつなげていきます。このように、BPRは一度実施し終わるのではなく、発見した課題を改善して次に活かすことで、効果の最大化が期待できるのです。

業務改革でありがちな失敗例

業務改革の失敗例をあらかじめ知っておけば、成功するためのポイントも自ずと見えてくるはずです。BPRでよくある失敗例としてまず挙げられるのは「とりあえずやってみる」といった見切り発車です。業務改革は業務改善と異なり、部署や部門単位で実施するものではありません。組織や企業の活動全体を見直す大規模なプロジェクトとなるため、明確な戦略や目的、目標の設定なしでは期待する効果に結びつかないのです。

無計画なまま実施に踏み切ってしまえば、現場の混乱を招くだけでなく、導入したシステムがうまく活用できずに投資回収ができないといったリスクも生じるでしょう。また、現状の業務を可視化し切れていないケースも失敗につながりやすくなっています。より良い改革の考案には、詳細な現状把握が欠かせません。経営層と現場の社員間で現状のすり合わせが正しくできていない場合、どれだけ議論を重ねても話は噛み合わないままです。

複数の拠点がある場合には、本社だけで共有・決定するのではなく、支社の状況を詳しく理解するためのヒアリングを実施する必要があります。現場の社員が抱える悩みに耳を傾けることで課題が見つかりやすくなり、社員の協力も得られるようになるはずです。業務改革に必要な知識を身に付けることも大切なことです。BPRに対する理解が曖昧なままでは、望むような結果は得られません。

プロジェクトを立ち上げたものの、目指すべきゴールが定まらないまま進めてしまう企業も少なくないようです。目的や目標が明確になっていないと、社内全体の意思統一を図るのは困難といえます。目的意識と計画性を持って、しっかりと取り組んでいけるようにしましょう。

業務改革を実施する際のポイント

業務改善のメリットを最大限に享受するには、押さえておくべきいくつかのポイントがあります。BPRを実施する意味や方向性を見失わないために、以下で説明する4つのポイントを覚えておきましょう。

目標を明確にする

業務改革で最も重要視されるのが社内全体で共通認識を持つことです。企業が理念として掲げる目的や、そこに至るまでに達成しなければならない目標をクリアしていくには、経営層から現場の社員までが一丸となって取り組む必要があります。企業活動の目的と各部門が遂行する業務の目的が一致しなければ、社内全体の業務効率化は実現しません。

なぜBPRを実施するのか、それにより何が変わりどのような目的を果たせるのかを明示して、意識の統一を図るようにしましょう。他社の成功事例を参考に学ぶのも有意義な方法です。既存の業務をベースにするのではなく、目指していきたい方向性を決定したうえでBPRを推進していくようにしましょう。

対象となる部署の代表者にヒアリングを行う際は、問題点だけでなく、得たい効果も聞くようにするとより具体的な改善策に結びつきます。

ゼロベースから考える

組織の抜本的な改革を実現させるBPRでは、ゼロベースから考えていく視点が必要です。これまで行ってきた業務を何もないゼロの地点から考え直していく作業は、簡単なことではありません。しかし、既存のプロセスを考慮して部分最適化となってしまえば、BPRが持つ本来の効果は得られなくなってしまうでしょう。過去の経験や知識が邪魔をしてうまくいかない場合には、いったん自分の思いや感情を排除することも大切です。

固定観念はゼロベースからの考えを阻害する要因になります。プロジェクトに携わるメンバーの全員が、ゼロベースを意識して意見を出し合えば、これまで思いつかなかったような新しい発想が生まれるかもしれません。第三者目線を取り入れるのも有効な手段です。自分以外の社員、役員、顧客など、異なる立場から見たときにどう感じるかといった想像力を働かせると、物事を多角的に捉えやすくなります。

PDCAサイクルの確立

BPRを成功に導くためには、PDCAサイクルの確立が不可欠です。効果を検証するためにあらかじめ設定する目標や成果は、誰が見ても分かりやすいように数値化しておきましょう。つまり、目標を設定する検討の段階からPDCAサイクルを考慮した設計が求められるということになります。検証により、効果が十分でないと判明した場合には、適宜修正を行う必要があります。

期待通りの効果を得た場合でも、より良い状態を目指して改善を図れば、さらなる顧客ロイヤリティの向上や社員のエンゲージメントが高まり、収益のアップが期待できるでしょう。BPRを進める際には、実施したことや次に活かしたいことなど、細かい記録を取っておくと具体的な改善策を見つけ出しやすくなります。

BPRは、中長期的な目線で目標の達成を目指していくものです。より意味のある取り組みにするためにもPDCAサイクルを継続的に回していけるようにしましょう。

アウトソーシングの上手な活用

社内リソースを有効活用するために、業務のアウトソーシングを検討している企業担当者も多いのではないでしょうか。アウトソーシングをうまく活用するには、業務の簡素化や標準化を行う必要があります。業務棚卸によりムダを省いたうえで、定型化しやすいノンコア業務をアウトソーシングすると、子会社も含めて業務を集約できるため、コスト削減や業務効率化に有効です。

社内にノウハウを蓄積したい非定型業務は外注を避けた方が望ましいでしょう。業務プロセスの整理を行わないまま安易に外注化してしまうと、予想外にコストが膨れあがる可能性があります。また、外注先によって、クオリティやセキュリティ対策にも違いがあるため、依頼先を検討する際には、実績やセキュリティレベルを確認して慎重に選択するようにしてください。

まとめ

業務改革(BPR)は、企業活動の全体を見直して、ビジネスプロセスを再構築する経営手法です。経済損失を回避するためのDXや働き方の多様化をはじめ、企業が時代の流れに柔軟に対応していくためには、従来のやり方を刷新していく必要があります。

業務改革を成功に導くには、入念な計画と社内全体の意思統一が欠かせません。また、現状の業務プロセスに引っ張られることなく、目指すべき方向性をしっかりと定めて取り組まなければ、成果を得るのは難しいでしょう。新しいツールの導入や、業務のアウトソーシングについても慎重な判断が求められます。

中長期的なプロジェクトとなるBPRでは、PDCAサイクルを継続的に回し続けることが、より良い結果へとつながります。日本の企業全体が抱える課題解決と時代のニーズに柔軟に応じていける組織づくりを目指して、今後ますます業務改革の必要性は高まってくるでしょう。

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