「データ利活用を促進するデータマネジメントが『攻めのDX』を実現する」【前編】

 2022.11.28  デジタルビジネスシェルパ

CTC様第三回座談会キービジュアル前編

データドリブン(駆動型)経営にとって、データはオイル(油田)に匹敵するほどのポテンシャルを秘めていると、米国で提唱されたのは、2016年頃になります。それから約6年という年月が流れ、日本企業は海外企業に追随できるだけのデータドリブン経営を実践しているでしょうか。「データ利活用」により、変化する市場動向を的確に把握し、迅速な市場予測を経営につなげるデータドリブン経営の実践には、業務や経営に直結するデータの適正な管理、データマネジメントが求められます。国内企業の多くが、ビジネスに求められている「データ利活用」を推進できない背景や課題について、CTCのデータマネジメントのスペシャリストが、その具体例を深堀し、解決につながるデータマネジメントとデータプラットフォームについて提唱します。

登壇者プロフィール

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 新事業創出・DX推進グループ DX企画推進部 企画統括・マーコム課 森 裕信伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 新事業創出・DX推進グループ DX企画推進部 企画統括・マーコム課 課長 森 裕信

2001年 伊藤忠テクノサイエンス株式会社(当時)入社
2015年 経営企画室/事業グループ付にて経営計画策定、基幹系システム導入、組織再編等を担当
2021年 新事業創出・DX推進グループにて部門管理およびマーコム担当
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 エンタープライズ事業グループ デジタルビジネス推進第1部 データシフト推進課 瓜田 幸代伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 エンタープライズ事業グループ デジタルビジネス推進第1部 データシフト推進課 課長 瓜田 幸代

2000年 伊藤忠テクノサイエンス株式会社(当時)入社。
数年の商品企画の部署にて新規製品の取扱い部署を経て、2003年よりLinuxビジネスの立ち上げに従事。オープンソース系データベースやHadoopなどデータ関連ビジネスを担当。
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 デンタープライズビジネス企画室 デジタルビジネス推進第2部 部長代行 田内 康晴伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 エンタープライズビジネス企画室 デジタルビジネス推進第2部 部長代行 田内 康晴

2006年 伊藤忠テクノサイエンス入社(現 伊藤忠テクノソリューションズ)。サーバー仮想化、デスクトップ仮想化ソリューションの技術主管部で提案、要件定義を約10年担当。
現在は、ハイブリッドクラウド、ビジネスアプリケーション、ワークプレイスソリューションを軸としたワークシフト製品主管部門の技術/マーケティングチームのマネジメントを担当。
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 新事業創出・DX推進グループ DX推進事業部 デジタルイノベーション部 データ・アジャイル課 小嶋 隆太伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 新事業創出・DX推進グループ DX推進事業部 デジタルイノベーション部 データ・アジャイル課 課長 小嶋 隆太

2011年 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社入社。大手小売業様を中心とした基幹系の開発業務に従事。
2021年より大手金融業様向けの全社DX推進を支援しており、特にデータ利活用領域に関するアジャイル開発に注力している。

いまなぜ「データ利活用」が重要視されているのか

森氏
「データウェアハウス」という言葉はもう20年以上前からあり、10年前には「ビッグデータ」ブームもありましたが、いま「データ利活用」が重要視されているのはなぜでしょうか?

田内氏
政府のDXレポートでも、攻めのDXを推進するように提唱していますが、我々のお客様でも、まだまだコスト削減を中心とした守りのDXの比率が高いお客様が大半の状況です。一方で、上層部の方々とお話をすると、攻めのDXに取り組もうとされるお客様も増えてきています。その攻めのDXの話の中で、データ利活用やデータマネジメントの話がでてくるようになりました。その中でも、AIやマシンラーニングやデータサイエンティストといったキーワードが出てきており、データについてのご相談が増えてきています。
我々のようにクラウドインフラストラクチャーに対応するチームとしても、Azure Synapse AnalyticsやSnowflakeなどの統合分析基盤に関する相談が多く寄せられています。我々のお客様の多くは、何かしらのデータマネジメントには着手されており、全社に大きく展開を検討されるお客様が増えてきています。

瓜田氏
以前からデータ分析は行われてきましたが、限られたデータ、かつ、過去のある時点での状態がどうであったかを分析し、これまでビジネス判断をしてきました。それがビッグデータやIoTなどでデータを膨大に取得し蓄積できるようになり、それらを現在のビジネス状況の把握だけでなく、その先のビジネスにも活用しようとDXに取り組む企業が増えてきていると思います。また、これまでは部署や組織単位でデータ分析がほとんどで、部分最適化を行ってきましたが、会社全体で行うことにより、さらなる最適化や効率化や新しいビジネスの創出やコスト削減に繋げたいという期待からデータ利活用につながってきていると感じます。

小嶋氏
クラウドストレージで画像や音声などのデータが扱いやすくなり、NoSQLなどの技術により非構造化データの管理手法が増えてきました。扱えるデータが増えてきて、それに伴ってお客様が従来やりたかったアイディアに可能性が出てきた時代になったのかなと思います。
私が担当しているお客様でも、データを起点にしたデータドリブン経営を進めているところがあります。それは、Excelのデータの取り扱いから、大量のデータを一気に高速に処理するなど、要望は様々ですが、最終的にはデータ利活用で得られる成果をお客様にどのように還元できるのか、という視点を常に持って取り組んでいるところが、従来と違う考え方だと思います。

データクラウド:データの力を結集し、ビジネスを変革する
マンガでわかるSnowflake

「データ利活用」が進まない企業が抱える潜在的な課題とは

森氏
「データ利活用」というテーマと真剣に向き合ったときに企業が直面する課題はなんでしょうか?
大きく分けると、図のように経営層とIT部門にLOB(ユーザ)部門という3つの業務エリアによって、それぞれが抱える課題と取り組み方に違いがあると思いますが、多くのお客様と接している皆様は、どのように感じていらっしゃいますか?

「データ利活用」が進まない企業が抱える潜在的な課題とは

瓜田氏
データを使いたいと思った時に入手できずタイムリーに分析できない、という課題があると思います。LOB部門が分析したいと思い、情報システム部門にお願いしても、場合によってはデータ入手するのに数ヶ月も待たされてしまい、データを分析する意味がなくなってしまうことがあります。リアルタイムにデータを使えるようにするためには、統合データ基盤を用意し、誰もが必要な時に必要なデータを入手できる状態にする必要があります。
一方で、とりあえずいろんなデータを統合データ基盤に入れていくだけでは、ファイルサーバのようになってしまい、どんなデータがどこにあるのか、分からなくなってしまいます。情報システム部門が、どのようなデータをLOB部門が求めているのか、しっかりとコミュニケーションする必要があります。

小嶋氏
3つの部門が、いかに連携していくかは重要なポイントです。それに加えて、データのスピードと品質が重要になります。データのスピードは、入ってくる(収集)速さに加えて、使う側が取り出すスピードも求められます。データの品質に関していうと、特定の部門のみに使えるデータがあっても、あまり意味はないのです。データ利活用という観点で考えると、ひとつのプラットフォームにただデータを集めても、中身がよく分からない、つまり質が悪いということになり実用性がありません。使える状態できちんと格納されているのが大事で、それをIT部門が統制をとってデータの質を保証する必要があります。
つまり、データを集めてくるスピードを強化し、それを見せるスピードを加速して、経営情報を可視化できるようになると、データの利活用がうまく促進されていきます。

田内氏
LOBの中でも、マーケティング部門のように、データのリテラシーが高い人たちは、やりたいことが明確で予算もあるので、データの利活用は進んでいます。
課題となるのは、データを活用するという考え方が、その他のLOBに広まっているかどうかです。LOBの部門によって、データ利活用には偏りがありがちなので、全社的に展開するためには、推進組織や教育が必要になると思います。

「データ利活用」に求められる「データマネジメント」とは

森氏
「データ利活用」に求められる「データマネジメント」とは何でしょうか?
データマネジメントプラットフォーム(DMP)という用語も耳にしますが、ITの専門ではない方に対して、どのように説明されていますか?

「データ利活用」に求められる「データマネジメント」とは

瓜田氏
DMPは、データが使える状態になっていることを考慮したシステムといえます。とりあえずデータを蓄積していくだけでは、ファイルサーバと同じようになってしまい、どんなデータがどこにあるのか、分からなくなってしまいます。情報システム部門が、どのようなデータをLOB部門が求めているのか、しっかりとコミュニケーションを取る必要があります。DMPは、図の右側にあるデータの分析要件によって、すぐに使えるように運用管理されている状態になっている基盤となります。

小嶋氏
DMPと呼ばれるデータのプラットフォームには、パブリックとプライベートという2つの種類があります。
パブリックは、SNSなど外部にあるデータを集めてきて構築するプラットフォームになります。
もうひとつのプライベートDMPは、自社のデータを中心としたデータ統合基盤です。企業におけるDMPのほとんどは、プライベートな自社のデータを管理する統合基盤になります。自社のデータをどう活用していくか、このときに、よく出てくる要素がデータウェアハウスとデータレイクです。今までは、データウェアハウスだけでしたが、データレイクという技術が出てくると、そこに蓄積されているデータをブラッシュアップしてデータウェアハウスやデータマートなどに展開する流れが一般的となっています。

「データ利活用」に求められる「データマネジメント」とは02

これらのデータ統合基盤をDMPと呼びますが、データマネジメントについて説明するときには、このDMPとセットでこれらを統制するルールや組織の話も必ずします。データマネジメントでは、基盤を作るだけでは十分ではないのです。このDMPをどのように運営していくかが、データ利活用で一番大事なポイントになります。要はデータの中身が重要なのです。DMPだけ作っても、ずっと同じデータが存在しているだけでは、ビジネスの進化につながりません。必要な情報を常に増やしていくだけではなく、不要な情報を減らすというデータのマネジメントが大事なのです。そのためには、IT部門だけが頑張るのではなく、業務部門の方々の協力があって、初めてDMPが生きた基盤になるのです。

森氏
なるほど、DMPとは構築して終わりではなく、そのDMPを活かすためのデータマネジメントがあってはじめて、ビジネスの進化につながるデータ利活用を実現できるのですね。後半では、データマネジメントによってビジネスの成功体験につながるモデルケースや、前半で語られた課題を解決するための取り組みについて、伺っていきたいと思います。

※部署名、役職名、その他データは公開当時のものです。

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