オープンデータとは? 入手方法や利用するメリットも事例を用いて解説

 2022.07.26  2022.07.28

オープンデータは、公共のデータ活用を推進するために公開・提供されています。この記事では、オープンデータの定義やデータ提供の目的、活用によるメリットと活用事例などについて解説しています。実際にオープンデータを入手できるサイトも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

オープンデータとは?

オープンデータとは、主に国や地方公共団体が公開している、誰もが利用可能なデータのことです。「オープンデータ基本指針」において、「1.営利目的、非営利目的を問わず二次利用可能なルールが適用されたもの」「2.機械判読に適したもの」「3.無償で利用できるもの」と定義されています。
参照元:地方公共団体のオープンデータの推進

オープンデータには、公的機関が行った幅広い調査を基にした「民間企業の退職金の実態」「生活状況に関する調査」「消費動向調査」「景気動向指数」などのさまざまな統計データがあります。単なる公表資料の場合、通常の著作物と同様に引用はできるものの、オープンデータのように二次利用はできません。オープンデータは二次利用が可能であるため、加工・編集・再配布などを行い、必要なデータを自由に活用できるメリットがあります。
オープンデータは、各機関が用意したサイトから無料でダウンロードして誰もが手軽に利用できます。機械判読が可能なExcelやCSVなどのファイル形式で提供されているため、加工しやすいのも特徴です。

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オープンデータの目的

膨大な量のオープンデータが広く活用されることで、経営戦略の策定や企業活動の効率化、新しいサービスの創成などの実現を可能にし、経済の活性化につながります。前述の「オープンデータ基本指針」でも、オープンデータの意義・目的として「1.国民参加・官民協働の推進を通じた諸課題の解決、経済活性化」「2.行政の高度化・効率化」「3.透明性・信頼の向上」の3点を挙げています。
参照元:地方公共団体のオープンデータの推進

政府は、行政の透明性を確保し、国民から信頼を得るために、社会状況が読み取れるオープンデータを公開しています。また、分かりやすく工夫された情報提供の場を作成することが必要であるといった考えから、人々の多様なニーズに対応できるように、オープンデータを使ったサービスを提供する目的で国民や民間との協働が推進されています。
オープンデータによる経済効果も目的のひとつです。オープンデータを分析してビジネス戦略の策定に活用したり、複数のオープンデータを組み合わせたデータ分析によって新しい価値を創造したりするなど、経済活性化も目的としてデータが公開されています。

オープンデータの特徴

オープンデータの主な特徴として、「著作権フリー」「機械判読可能」が挙げられます。勝手に使用してはいけない著作物とは異なり、誰もが自由に活用できるデータであるため、オープンデータは必ずこの特徴を持っています。

著作権フリー

一般的にWebで公開されているデータベースには著作権があるため、他者が著作者の許可なくコピーやインターネット配信などの用途に利用することはできません。著作権法に定められた方法であれば、引用することは可能です。ただし引用の範囲を超えて利用したい場合は、著作者に許可を得る必要があるため、著作権者と連絡を取り許可を得るまでに手間や時間がかかります。

オープンデータは著作権フリーのため、使用時の許可が必要ありません。引用だけでなく加工して利用することもできるなど、誰もが手軽に使えるデータです。地域交通・人口・防犯・産業・健康関連など、さまざまなデータが準備されており、権利が複雑になりやすい商用においても問題なく利用できます。

機械判読可能

オープンデータは機械判読可能なデータとして定義されています。国が著作権者となる公開データは原則二次利用が認められていることもあり、加工可能な機械判読ができるデータで公開されています。機械判読可能とは、数値や文字データをコンピューターが判読でき、人の手をかけずに自動でデータの加工・編集ができることを指します。画像やPDF形式のデータでは、数値や文字が表示されていたとしても、コンピューターはそれらを判読できません。

「二次利用の促進のための府省のデータ公開に関する基本的考え方(ガイドライン)」において、機械判読に適したデータ形式は「特定のアプリケーションに依存しないデータ形式であること」を要件としています。そのため、基本的にはCSVやXMLなど、仕様が標準化されているファイルデータで公開されているのです。
参照元:二次利用の促進のための府省のデータ公開に関する基本的考え方(ガイドライン)

オープンデータのメリットと事例

国民や産業、地域をはじめとするさまざまな情報が公開されているオープンデータは、実際に多くの分野で活用されています。避難所情報やバスの情報、新型コロナウイルス対策といった、生活の利便性向上に役立てられている事例を紹介します。
参照元:農業は、記憶から記録へ。アグリノート - ウォーターセル株式会社

避難所情報を載せたWebアプリ

電通とゼンリンデータコムが開発、提供を行っているのが、全国の避難所情報をまとめたWebアプリ「全国避難所データベース」です。内閣府と地方自治体が公開している避難所情報を使用して作成された、災害時に役立つ防災アプリです。

避難所情報は紙で保管されているケースが一般的だったため、改定時は情報の編集や地図の使用申請などに手間がかかっていました。その他に、スマートフォンなどを持たない住民や、地域外からの来訪者に避難所情報を伝える難しさもありました。そういった課題を解消するため、災害時にどこからでも全国の避難所情報を確認できるデータベースが開発されたのです。

いつ必要になるかわからない避難所情報は、常に新しい情報が掲載されている必要があるため、オープンデータに加えて自治体などに独自のヒアリングを行い、情報更新を続けています。まとめられた情報は各自治体と在日外国大使には無償で提供されているほか、民間企業は有償での利用が可能です。

バスの情報を確認できるWebアプリ

バスの走行位置やバス停通過時刻をリアルタイムで確認できるWebアプリが、岡山県の宇野自動車が提供する「バスロケ」です。停留所情報や運行系統、現在位置などのオープンデータを使用して開発され、リアルタイムの走行位置や車載カメラに映った道路状況も確認できます。バス運行のリアルタイムな情報を事務所で正確に管理することを可能にするほか、バス利用者向けにもオープンデータとして公開しています。

バスの遅延を把握するために市販のタブレットを車載機として利用しており、高額な機器を購入することなく運用されています。利用者向けサイト「バスまだ?」では、時刻表上でバスの位置を確認できる「時刻表タイプ」、バスの位置が地図上に表示される「地図タイプ」、運行中のバスを並べて表示する「一覧タイプ」、車両ナンバーなどの詳細な情報が得られる「マニアタイプ」といった4種類の表示方法からバスの運行状況を確認できます。

コロナウイルス対策サイト

NECが提供するオープンソースソフトが「FIWARE版コロナウイルス対策ソフト」です。東京都がオープンソースとして公開した新型コロナウイルス対策サイトのソースコードを改造し、全国の自治体が公開している新型コロナウイルス感染症対策データを取得・変換してデータを表示できるようにしたものです。

当初は東京都が公開したものを各自治体が再利用して情報提供を行っていましたが、データモデルやデータの取得方法が異なる自治体ではそのまま再利用できず、ソースコードの修正が必要でした。オープン標準APIと共通データモデルを採用し、またデータの変換ツールを開発することで、異なるデータモデルを使用している自治体でもそのまま使用できるようにソースコードの修正を不要にしました。

オープンデータの入手方法

オープンデータは、必要なデータを保有するサイトから入手することが可能です。ここでは、デジタル庁が運営する情報ポータルサイトと、政府統計ポータルサイト、アメリカ国立教育統計センターを紹介します。

データカタログサイト

「データカタログサイト」は、デジタル庁が運営している情報ポータルサイトです。データの提供側と利用側双方にオープンデータのイメージを分かりやすく示すことを目的として開設され、実際の利用を通して改善点を検討したり、政府のオープンデータへの取り組みに対する認知を向上させたりすることを目指しています。「カタログ」の名称が表す通り、各省庁が保有するデータを横断的に検索できるため、幅広い分野のオープンデータが探せます。

サイト内には国、地方公共団体、独立行政法人などとの分類ごとにデータベースサイトの一覧が掲載されているため、分類ごとに検索するとオープンデータの情報やリンクが表示され、リンクから移動してデータを取得することが可能です。
参照元:データカタログサイト

政府統計ポータルサイト

政府統計ポータルサイト「e-Stat」は、日本の政府統計データを探せるサイトです。各省庁が公表しているデータをまとめているため、ここで一括してデータを入手できます。

統計データは、キーワード検索のほかに、国土・気象、人口・世帯、労働・賃金などの17分野から、または総務省、経済産業省などの所轄組織から探すことが可能です。主要な統計データをグラフや時系列表で表示する「統計ダッシュボード」や、地図上に統計データを表示する「地図で見る統計(jSTAT MAP)」、各都道府県や市区町村ごとの地域の主要な統計データなども利用でき、情報収集だけでなく多様な使い方が可能なサイトです。
参照元:政府統計の総合窓口

アメリカ国立教育統計センター

米国教育省の「国立教育統計センター(NCES)」は、アメリカ合衆国の教育機関を対象に調査を行い、結果をまとめたサイトです。アメリカでは政府の統計調査をそれぞれの省が実施しデータを提供しているため、NCESでは教育関係の統計データのみ使用できます。

画面上にある「MENU」の「年間報告(Annual Reports)」からリンクをたどれる「教育統計ダイジェスト(Digest ofEducation Statistics)」ページでは、幼稚園から大学院まで、アメリカの教育に関する幅広い分野の統計データが確認できます。NCESが実施した調査結果を中心に、人口・学歴・人種・スタッフ・教職員・学位の授与・教育の国際比較などあらゆるデータを閲覧・オープンデータとして活用可能です。
参照元:National Center for Education Statistics (NCES)

まとめ

オープンデータは、Web上で公開されている誰もが利用できるデータです。営利目的でも利用可能であり、著作権フリーで機械判読に適したファイル形式といった特徴があるため、データを加工してさまざまな形で二次利用できるメリットがあります。

オープンデータは、行政の透明性向上をはじめ、官民協働での課題解決や経済の活性化を目的として提供されています。オープンデータの分析による経営戦略の策定や新しい価値の創造など、データ活用によりビジネスのフィールドを広げていくことができるでしょう。

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