SFAとCRMの違いとは?
デジタルマーケティングに欠かせない各ツールの特徴や役割を解説

 2024.03.22  デジタルビジネスシェルパ

業務効率化や売上向上のためにSFAやCRMを導入しようと考えているものの、両者の違いが明確に分からないと感じる方も多いようです。
本記事では、特にデジタルマーケティングを行う上でのSFAとCRMの役割と機能の違いを詳しく解説し、選定する際におさえたい6つのポイントもお伝えします。

SFAとCRMの違いとは? デジタルマーケティングに欠かせない各ツールの特徴や役割を解説

デジタルマーケティングソリューション

SFAとCRMの違いとは?

SFAとCRMは同時に語られることが多く、混同されがちな言葉です。そのため、まずはSFAとCRMの違いについて解説します。

SFAとは

デジタルマーケティングは、マーケティング活動のみを効率化すればいいのではなく、営業部門とも連携することが重要です。その営業部門の効率化に役立つツールがSFA(Sales Force Automation)で、日本語に訳すと営業支援システムを指します。これは営業プロセスの一部を自動化したり、可視化・分析などを行ったりするツールです。営業部門全体の標準化や効率化のために用いられるほか、営業活動を可視化することでチームの業務をスムーズに共有でき、より効率的な顧客へのアプローチを行えます。また、蓄積されたデータの分析により、成約率の高い営業活動を導き出せるなど、マーケティングにも活用できます。

CRMとは

SFAが企業側の営業活動を管理するのに対し、顧客側の情報を管理するツールがCRMです。CRMとはCustomer Relationship Managementの頭文字を取ったもので、顧客関係管理とも呼ばれています。CRMは、もともと顧客を起点としたビジネス戦略を指す言葉でした。しかし今では、CRMを行うツール自体をCRMと呼ぶことも増えています。社内の顧客情報や問い合わせ内容などを一元管理し、マーケティング部門やカスタマーサポート部門など様々な部門で共有することによって、顧客とのコミュニケーションの強化を図れます。また、顧客の属性や購買傾向などを分析することにより、効率的なマーケティングにつなげることも可能です。

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デジタルマーケティングに欠かせないSFA・CRMの役割と機能

デジタルマーケティングに欠かせないSFA・CRMの役割と機能

SFAやCRMを導入することで、各種ICTツールとデータを利活用したデジタルマーケティングをより効果的に行えます。デジタルマーケティングにおいては、SFAで商談から受注までの営業活動、CRMで契約・購入後の顧客管理を行うのが一般的です。

デジタルマーケティングでは、マーケティング活動の各プロセスの効率化も行います。そのためのツールがMA(Marketing Automation)です。MAを活用すれば、蓄積されたデータを自動で分析し見込み顧客を洗い出したり、見込み顧客の興味に応じたダイレクトメールをの自動送信などしがたりできます行えます。これからのマーケティングでは、顧客の属性や好みに合わせてパーソナライズされたアプローチを取ることが必須です。が、MAは、それをデジタル技術による自動化によってこれらのプロセスをり、効率的に進められる行えるツールです。

MAはマーケティング、SFAは営業活動、CRMは顧客情報管理と、同じデジタルによる効率化ツールでも、担う領域がそれぞれ違います。ただ、デジタルマーケティングを成功させるには、どれかひとつに偏るのではなく、各領域が連携しあうことが重要です。MA・SFA・CRMの3つを上手く活用することにより、デジタルマーケティングを効果的に実現できます。

デジタルマーケティングの定義については、下記の関連記事をご参照ください。

関連記事:デジタルマーケティングソリューション 

SFAの役割と機能

SFAを使うのは主に営業部門の担当者です。営業活動をサポートするSFAの役割や機能について解説します。

役割  
SFAの主な役割の一つは、営業活動の標準化です。営業は属人化しやすい業務ですが、それぞれの営業活動をSFA上で可視化し集約・蓄積することで、データに基づく客観的な営業活動を実現できます。成約率と相関する要素の発見にもつなげられるでしょう。営業のノウハウを組織的に活用することで、組織全体としての継続的な売上向上も期待できます。

機能
製品によっても異なりますが、主な機能は次のとおりです。

1.案件管理
顧客情報、担当者の名前、各案件・商談の情報や進捗、確度、見積もり、売上金額などを管理します。営業部門が扱っている全ての案件を管理職が把握し、指示を出すのに役立ちます。

2.営業活動管理(タスク管理)
営業担当者がスケジュールやタスク、日々の活動内容をSFA上で入力・管理します。各案件の進捗や確度、リスクなどを把握しやすくなります。ナレッジの共有も可能になるため、営業力の標準化・強化につながります。

3.営業分析(レポート機能)
SFA上で得られた各種情報から、簡単にレポート・ダッシュボードが作成できます。それによって、予実管理・課題分析・売上予測がより高精度になります。顧客行動の分析、行動のタイミングの予測、成約の確度・リスクの判断などにも有用です。さらに、組織的な営業戦略を立てる際にも活用されます。

4.業務の自動化(見積・請求書作成などの自動化)
見積書・請求書の作成といった定型業務は、SFAによって自動化が可能です。人手に比べて、計算・入力のミスも抑えられます。

CRMの役割と機能

営業活動の各フェーズにおいて有効なのがSFAなのに対して、CRMは契約・購入後の顧客満足度・顧客体験の向上、それによる企業価値向上につなげられるツールです。

・役割
CRMの役割は、顧客情報を一元管理・共有し、顧客との関係性をより強固にすることです。担当者や部門の壁を取り払い、顧客に一貫したサポートを提供することで、顧客満足度の向上につなげられます。
また、蓄積されたデータから顧客の購買分析を行い、マーケティング戦略に活用することも可能です。データを活用してクロスセルやアップセルに取り組むなら、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の向上も見込めます。

・機能
製品にもよりますが、次の3つが主な機能です。

1.見込み顧客へのアプローチ
一般的にはMA(Marketing Automation)が得意とする領域ですが、CRMの製品によっては、見込み顧客へのアプローチも可能です。例えば、データをもとに見込み顧客が欲しいと思っている情報を、適切なタイミングで送付することで、自社製品に対する興味を引きやすくなります。

2.顧客情報の一元管理
顧客のプロフィールをはじめ、購買した製品・サービスの種類、金額・数量、購入の頻度、志向、問い合わせ内容などを一元管理できます。

3.既存顧客へのサポート
一元管理している顧客情報をカスタマーサポート部門などで共有し、適切に活用することで、迅速かつ適切なフォローを行えます。情報共有が効率化されるため、部門全体の生産性の向上にもつながります。

SFA・CRMツール選定時に確認したい6つのポイント

やみくもにSFA・CRMツールを導入すると、失敗してしまう恐れがあります。次のポイントに注意してください。

1. 導入目的を明確にする

SFAやCRMの導入そのものが目的になってしまっては、現場に混乱を招くだけの結果になりかねません。そのため、まずは課題と目的を明確にすることが大切です。例えば次のように、自社が抱えている課題を洗い出しましょう。

  • トップセールスのノウハウを再現性のある形で蓄積したい。
  • 担当者不在による機会損失、顧客満足度の低下を避けたい。
  • 営業担当者が得た顧客情報をバックオフィスと共有したい。
  • 前回の取引から一定期間が経過している顧客へ効率的にアプローチしたい。
  • 取引履歴・問い合わせ履歴から、顧客行動の予測をしたい。
  • 商談の確度の予測、リスクの判定をしたい。

2. 課題解決に向いているのがSFA・CRMのどちらかを検討する

課題を解決につながるのがSFAなのかCRMなのかを、よく検討しましょう。例えば「営業担当者によって売上に大きな差がある」といった問題なら、SFAで平準化を目指すのが有効です。「問い合わせ履歴と顧客情報を照らし合わせながら顧客対応をしたい」といった場合はCRMが向いています。

また、SFAとCRMの両方を導入して、連携させることも有効です。例えば、取引が成立した後、営業部門からカスタマーサポート部門へ顧客情報とサポートを引き継ぐことで、営業担当者が不在でも顧客は適切なサポートを受けられます。それによって営業部門は新たな案件へと注力できるため、利益率の向上が見込めます。
ただし、営業部門からの引き継ぎが不十分だとカスタマーサポート部門の負荷が増え、顧客の満足度も低下してしまいます。現場と顧客の混乱を招かないような仕組みをあらかじめ構築しましょう。

また、CRMがSFAを内包している場合もあるため、機能が重複しないよう注意してください。

3. 社内定着するよう使いやすさを確認する

実際にSFAやCRMを使うのは、現場担当者です。そのため、現場担当者に現状の課題や求める機能などを詳しくヒアリングし、そこで得られた意見を踏まえて製品を選定しましょう。経営層だけの判断で決めてしまうと、導入したものの現場でほとんど使われない恐れがあります。無料トライアルなどで、実際の使用感などを確かめるのが大切です。

4. セキュリティ対策を確認する

顧客情報や自社の営業ノウハウなどの機密情報を管理するツールなので、十分なセキュリティ対策は欠かせません。万が一顧客情報の漏えいなどがあった場合、企業としての信頼性が大きく損なわれてしまいます。

そのため製品を選定する際には、悪意あるプログラムを素早く検出するだけでなく、サイバー攻撃などに遭った場合に迅速に復旧・感染の早期収束を行えるシステムがあるかも確認しましょう。

5. 費用対効果を調べる

費用だけで決めてしまうと、思うような効果を得られない恐れがあります。予算内に収まるかだけでなく、自社の課題とツールを導入する目的、ゴールなどを明確にした上で、適切な製品を選定しましょう。導入によって得られる効果を試算することも必要です。

6. サポート力のあるベンダーから導入する

SFA・CRM共に顧客情報を扱うツールであり、種々の機能を使いこなす必要もあるため、サポートの充実度も選択のポイントとなります。メーカーによるサポートが弱い場合は、その製品の導入実績が多いベンダーに依頼するのが有効です。サポート力のあるベンダーが間に入ることで、トラブルや障害があった場合でも、業務を大幅に停滞させることを回避できます。

まとめ

SFAは営業活動を効率化・最適化するツールで、CRMは顧客とのコミュニケーションを強化するツールです。導入する際は、導入目的や自社の課題、セキュリティ要件を明確にした上で、適切な製品を選ぶようにしましょう。そうすることで生産性や顧客のエンゲージメントの向上が期待できます。

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