ハイブリッドクラウドとは?
特徴やメリット・デメリットを解説

 2024.03.25  デジタルビジネスシェルパ

オンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドと、どの環境にも異なる強みがあります。そのため、多様なニーズを抱える企業にとって、用途にあわせて各環境を使い分けるハイブリッドクラウドは魅力的な選択肢です。本記事ではハイブリッドクラウドの概要やメリット・デメリットなどを分かりやすく解説します。

ハイブリッドクラウドとは? 特徴やメリット・デメリットを解説

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ハイブリッドクラウドとは?

ハイブリッドクラウドとは、パブリッククラウドとプライベートクラウド、そしてオンプレミスを組み合わせて運用するIT環境のことです。パブリッククラウドとは他社とサーバを共有するクラウド、プライベートクラウドとは自社専用のサーバで運用するクラウドを意味します。オンプレミスとは、社内に設置した物理サーバを使った閉鎖的なネットワークを指します。

特徴

ハイブリッドクラウドの最大の特徴は、その柔軟性です。パブリッククラウドは手軽に導入・運用できる反面カスタマイズ性に乏しい、プライベートクラウドはセキュリティとカスタマイズ性に優れているものの導入・運用コストが高いといったように、各環境にはそれぞれ長所・短所があります。

その点、ハイブリッドクラウドならば、企業は必要に応じてリソースを拡張したり、セキュリティ要件に応じてデータを配置したりできます。例えば、特に機密性の高いデータはオンプレミスサーバで管理し、それ以外はクラウドで管理するといった仕方です。また、各環境のあいだでデータやアプリケーションを移動することで、ビジネスの成長や変化へ柔軟に対応できます。

このように、ハイブリッドクラウドは、用途やニーズにあわせて使用する環境を使い分けることで、各環境の長所と短所を相互に補完できることが大きな特徴です。

マルチクラウドとの違い

混同されやすいですが、ハイブリッドクラウドとマルチクラウドは異なる概念です。

一般的にマルチクラウドは、複数のパブリッククラウドサービスを併用することを指します。

他方でハイブリッドクラウドは、パブリッククラウド+プライベートクラウドのように、異種環境を使い分けるのが大きな違いです。

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ハイブリッドクラウドのメリット

ハイブリッドクラウドの柔軟さを活かすことで、企業はリスク分散やコスト削減など、多くのメリットを得られます。

リスク分散をおこなえる

ハイブリッドクラウドでは、異なるクラウドベンダーやリージョンにまたがってシステム構築できます。そのため、システムダウンなど対障害のリスク分散に役立ちます。さらに、バックアップデータを取っておくことで、特定のシステムに不具合が生じたとしても迅速に復旧が可能です。このような施策は、企業のBCP(事業継続計画)戦略においても重要です。

コストを最適化できる

ハイブリッドクラウドでは、オンプレミスとクラウド双方のリソースを巧みに使い分けることによって、コストの最適化を図れます。例えば、機密性の高いデータはオンプレミスで管理し、セキュリティ要件が比較的低いデータはコスト効率の良いパブリッククラウドに格納するといった方法は、セキュリティとコストのバランスを取るために効果的です。

状況に応じてITリソースを最適化できる

経済的なコストだけでなく、ITリソース面での最適化をしやすいのも大きなメリットです。オンプレミスやプライベートクラウドは、カスタマイズ性やセキュリティに優れているものの、容量の拡張に難があります。しかし、拡張性に優れたパブリッククラウドへ一部のデータを移行すれば、データ面でのリソースを柔軟に拡大できます。その結果、急に負荷が増えるような事態になっても、安定した環境下でデータ処理を行うことが可能です。

ハイブリッドクラウドを検討する際のポイント

ハイブリッドクラウドは多くのメリットを企業にもたらしますが、その導入と運用においては以下のような課題も伴います。

高度なスキルが必要

ここまで述べてきたように、ハイブリッドクラウドの強みは、複数の環境やサービスを組み合わせて柔軟に使い分けられる点にあります。しかし、これにはシステム構成の複雑さが必然的に伴うので、実際の運用難易度が高くなりがちです。例えば、ハイブリッドクラウドでは、各サービスの連携やデータの同期、セキュリティポリシーの一貫性などが問題になる傾向にあります。

クラウド管理に関しても、各社のクラウドサービス特有の違いを踏まえて運用する必要があるので、高度なクラウドITスキルが求められます。

IT人材が必要となる

ハイブリッドクラウドを効果的に運用するためには、各クラウド環境やオンプレミス環境に関する深い知識が必要です。そのため、それぞれの環境を組み合わせて適切に管理運用できるIT人材の確保が求められます。しかし、日本では社会全体でIT人材が不足しており、その確保は容易ではありません。社外の企業や専門家へサポートを求めることも一考の価値がありますが、その場合も一定のコストが発生することは無視できません。

ハイブリッドクラウド導入を慎重に検討すべき企業

上記のデメリットも考慮すると、ハイブリッドクラウドは全ての企業にとって最善の選択肢になるとは限りません。導入してから後悔しないように、特に以下のような特徴をもった企業は、ハイブリッドクラウドの導入を慎重に検討することをおすすめします。

自社サーバ・プライベートクラウドを問題なく運用中

ハイブリッドクラウドの導入は、特定のビジネスニーズを満たすための手段に過ぎません。そのため、オンプレミスサーバやプライベートクラウドのみを運用している状態で特に不満や問題がないならば、貴重な労力やコストを費やしてハイブリッドクラウドへ移行する必要はありません。

扱うデータ量が少ない企業

扱うデータ量が少ない企業にとって、ハイブリッドクラウドの導入で得られるメリットは限られます。データ量が小さいのであれば、既存のオンプレミスサーバやプライベートクラウドに余裕をもってデータを格納できるはずです。データ容量に余裕があるのに、パブリッククラウドへデータを移す行為は、単にデータセキュリティの強度を落とすだけになりかねません。複数の場所でデータを保存することは、コスト面はもちろん、管理の手間やアクセス性の面、データの整合性の維持などに問題を及ぼすことがあります。将来的にデータ量の大幅な増加が見込まれるなら検討の価値はありますが、そうでない場合は、ハイブリッドクラウドの採用は避けた方が無難です。

自社がハイブリッドクラウドを必要としている明確な理由がないのであれば、導入を再検討する必要があるかもしれません。

まとめ

ハイブリッドクラウドは、パブリッククラウド+プライベートクラウドというように、異なる環境を柔軟に組み合わせることで、コストの最適化やセキュリティの強化などに寄与します。ただし、こうした複雑な運用を実現するには、高度な専門知識や専門家の助力が不可欠です。こうした点を踏まえると、ハイブリッドクラウドは、あくまでも必要性や価値を強く感じる企業にこそ導入の価値があります。目的を明確にして導入を進めることで、失敗や後悔をする可能性を減らすことが可能です。

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