カスタマージャーニーとは? 考えるメリットやマップの作成についても解説

 2023.06.22  デジタルビジネスシェルパ

企業が事業を展開して成長を遂げたいのであれば、自社の顧客を深く理解することが欠かせません。本記事では、顧客理解を深めるのに効果的な「カスタマージャーニー」について紹介します。また、カスタマージャーニーをビジュアル化した「カスタマージャーニーマップ」の作成方法についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

カスタマージャーニーとは? 考えるメリットやマップの作成についても解説

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カスタマージャーニーとは

カスタマージャーニーとは簡単にいうと、顧客がサービスや商品の存在を認識してから利用や購入に至るまでのプロセスを旅に例えた概念のことです。カスタマージャーニーでは、「ペルソナ」と呼ばれるターゲットよりも明確で典型的な顧客像を定めます。そしてペルソナが、どのような過程を経てサービスや商品と接点をもち、どういった行動を起こし、どんな感情を抱くのかなどについて深く考え、後述するカスタマージャーニーマップを作成します。そして、顧客の行動や思考を整理し、理解することでマーケティングに役立てます。

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カスタマージャーニーを考えるメリット

近年、テクノロジーの発達や顧客の消費スタイルの変化などから、企業はより顧客の行動や思考などを理解する必要があり、カスタマージャーニーのメリットに注目が集まっています。

顧客視点を意識できる

カスタマージャーニーを考えることで、企業側が顧客の目線に立って自社のサービスや商品を客観的に眺められるようになり、顧客理解につながります。また、カスタマージャーニーについて考えれば、顧客目線で様々な気付きが得られることが期待でき、顧客により受け入れられやすくなるように自社のサービスや商品を改善したり、より良い顧客体験を提供できるように見直しを行ったりするのに役立ちます。

施策実施を円滑化できる

社内全体から関係者が集まり、カスタマージャーニーについて意見を交換して共有すれば、関係者間で顧客に関する共通認識がもてるようになります。全社にこの共通認識が行きわたれば、共通認識に立脚した議論ができるようになり、施策の検討や立案、展開がスムーズに行えます。

カスタマージャーニーにおけるツール

カスタマージャーニーについて考える際に、ツールとして一般的に用いられるのがカスタマージャーニーマップと呼ばれる図です。カスタマージャーニーマップには、時と共に移り変わる顧客の行動や思考、感情などが、時系列で書き込まれて図示されます。
しかし、顧客は1人だけではありません。また、自社のサービスや商品に触れた時にとる行動や抱く感情は個々で異なるため、全顧客の行動や感情の動きを示すことも不可能です。そこでペルソナを設定し、その人物像に絞り込んでカスタマージャーニーマップを作ることで、典型的な顧客の動きを把握でき、顧客理解が進みます。
なお、ペルソナは複数作成しても構いませんが、作成したペルソナの人数分、カスタマージャーニーマップも用意しなければなりません。

カスタマージャーニーマップの作成方法

カスタマージャーニーマップの作成方法は、業界・業種によって異なります。ここでは基本的な手順を紹介します。

ペルソナを設定する

まず、カスタマージャーニーマップの対象となるペルソナを設定するために、自社の典型的なユーザーがどのような人々なのかを想像してみましょう。ペルソナの設定に必要なユーザー像は、大ざっぱなものではなく、詳細に作り込まなければなりません。年齢、性別、職業、居住地などの基本情報に加え、趣味や家族構成、交友関係、年収、ライフスタイル、抱えている課題、情報の収集方法といったことまで、こと細かに設定する必要があります。自社で保有している既存顧客の分析データなどを参考にして、ペルソナを可能な限り細かく設定しましょう。

ゴールとフレームを設定する

次に、商品の購入やサービスの継続利用など、カスタマージャーニーマップを旅するペルソナが、最終的に起こす理想的な行動をゴールとして設定します。
明確なゴールが決まったら、カスタマージャーニーマップのテンプレートを作成するために、横軸と縦軸で構成されるフレームを設定します。フレームの横軸には、認知や購入・体験、購入後など、ペルソナが起こすゴールまでの行動を順に記します。縦軸には、自社と顧客との接点(タッチポイント)、顧客が起こす行動、顧客が思うことや抱く感情、自社が抱える課題、自社がとるべき施策などを自由に書き入れます。

要素を検討する

カスタマージャーニーマップのテンプレートが完成したら、横軸に設定された購買行動の段階ごとに、タッチポイントや顧客が起こす行動など縦軸に書き込まれた個々の要素について検討しましょう。顧客に関する情報を収集して分析し、顧客に関する要素の洗い出しが終わったら、自社のどこに課題があるか、どのような施策を講じるべきかについても、具体的に考えます。

情報を記入する

最後に、要素の検討で提出された個々の情報を整理し、カスタマージャーニーマップに記入して仕上げます。この時、より現実的なマップを作り上げるために、部署の垣根を越えてメンバーを集め、多様な意見を取り入れることが大切です。また、作成したマップは時間が経過するにつれて、現実と合わなくなります。時代に合った効果的な施策を打ち出すためにも定期的にペルソナから見直し、バージョンアップを行いましょう。

カスタマージャーニーマップの作成における注意点

カスタマージャーニーマップの作成時には、以下の2つのポイントを守らないと失敗する可能性が高いため注意が必要です。

願望や主観だけで作らない

カスタマージャーニーマップでは、「この広告で商品の魅力に気付いて欲しい」「〇〇したらきっと購入するはず」など、企業が顧客に対して勝手に抱く願望を抑えて作る必要があります。なぜならば、企業側の願望や主観のみで作成したマップは、現実とはかけ離れたものになってしまうからです。一方的な思い込みは、顧客を理解しようとする際の妨げになります。したがって、マップの作成に携わるメンバーは主観に頼らず、客観的な根拠に基づいてマップを作成しなければなりません。そこでマップに情報を記入する際には複数人で意見を出し合ったり、自社で集めた顧客データを活用したりしましょう。もしも顧客データが不足している場合には、仮説を立ててそれを検証することが大切です。

目的をもって作成する

カスタマージャーニーマップはあくまでもツールであり、その活用目的こそが重要です。マップを活用して何を実現したいのか、活用目的を明確にした上で作成に入らなければ、活用目的からずれたマップができ上がってしまい、十分な効果が得られません。
また、はじめから細かく作りすぎるとマップ作成に時間がかかるだけでなく、行き詰まってしまう可能性が高いです。まずはシンプルなカスタマージャーニーマップを作成し、ブラッシュアップしていきましょう。

まとめ

カスタマージャーニーは、顧客がサービスや商品と接して関わり合いを深めていくプロセスであり、カスタマージャーニーを図にまとめて可視化したツールをカスタマージャーニーマップと呼びます。企業はカスタマージャーニーを考えることで、顧客視点を意識でき、施策実施を円滑化できます。

カスタマージャーニーを含めたマーケティング活動を伴う事業展開には、ITの活用やDXが重要であり、CTCのソリューションが大いに役立ちます。CTCのソリューションは、ITや最新のテクノロジーなどを駆使して企業のDXを推進し、新たな価値を生みだすことを力強く後押しします。

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