スマートオフィスとは? メリット・デメリットと実現方法を徹底解説

 2022.07.28  2022.08.04

働き方改革の取り組みとして日本でも注目を集めつつある「スマートオフィス」とは何でしょうか。この記事ではスマートオフィスの概要から、導入によるメリットとデメリットを解説します。また、スマートオフィス化の実現に向けて気を付けるべきポイントも紹介します。

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スマートオフィスとは

近年、DX化に取り組む企業のなかで、「スマートオフィス」が注目を浴びるようになってきました。スマートオフィスの「スマート」とは、AIやIoTといった最新のIT技術を駆使して新しい付加価値を与えるという意味が含まれています。つまり、スマートオフィスとは、最新技術を導入、活用することで自動化を実現し、新たな付加価値を生む次世代のオフィスなのです。

スマートオフィス化の事例としては、従来の会議室予約をホワイトボードなどで管理していたものを、システムで一元管理できるようにするケースなどが挙げられます。

しかし、スマートオフィスは、ただ単に新しく便利なITツールやシステムを導入することが目的ではありません。ビジネスの在り方を根本から変革し、社内インフラだけではなく、社員の働き方そのものを大きく変えていくことこそが、スマートオフィスの目指す目標です。

市場調査業務を行うKnowledge Sourcing Intelligenceは、2021年から2026年までの間、スマートオフィスの市場規模がどうなるかの予測を公表しています。それによれば、2019年に253億2,100万米ドルであった市場規模は13.58%の年平均成長率で拡大し、2026年には617億4,400万米ドルに達すると予測されています。
参照元:スマートオフィス市場:2021年~2026年の予測

現状、日本ではまだまだ従来型の古いシステムを使っているケースが多くあります。しかし、欧米など海外での導入は明らかに増えていることから、日本も近い将来、多くの企業でスマートオフィス化が進められることでしょう。

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スマートオフィスのメリット

では、スマートオフィスを導入することで、どのようなメリットが考えられるでしょうか。ここでは、「生産性向上」「社員のストレス緩和」「コミュニケーション」「働き方」「固定費を削減」の5点をピックアップしてそれぞれ解説します。

生産性が向上する

スマートオフィスを導入すると、IT技術の活用により、社員が働きやすい環境を作れるようになります。例えばオフィスの温度や湿度を自動で調整したり、室内の二酸化炭素量を計測して適切な濃度になるよう空気を循環させたりすることで快適な空間を実現できるのです。社員は業務に集中できるようになり、業務効率の向上につながります。少ない人員でも大きな成果を上げられるようになるのです。

社員にとってスマートオフィス化は、仕事がスムーズに進められ、生み出せる成果も大きくなるメリットがあります。

社員のストレス緩和につながる

新型コロナ感染症流行の前は、毎朝夕に混雑した通勤電車でオフィスへ向かうビジネスパーソンの姿がよく見られました。しかし現在は、テレワークや時差出勤といった柔軟な働き方が多くの企業で採用されています。働き方改革の一環としても、企業には可能な範囲で社員の自律性に任せ、柔軟に働ける環境を整備することが求められています。

このように多様化する働き方の環境整備には、スマートオフィス化が欠かせません。その結果、満員電車に揺られて必ず毎日決まった時間に通勤しなければならない、といった社員のストレスが軽減されます。また、従来、通勤のために使っていた時間を、自分の趣味や自己研鑽、リフレッシュのためなどに使えるようになるのです。

社員にとっては面倒な通勤から解放され、ストレスを軽減できれば、業務時間中は仕事への集中力が高まり、生産性向上やエンゲージメント改善にも期待できるようになるでしょう。

コミュニケーションの阻害要因を把握できる

仕事は基本的にチームで行うため、コミュニケーションの活性化は常に課題となります。コミュニケーションが停滞している状況では、チームでのタスク管理がうまくいかず、思うような成果を上げられなくなるからです。

スマートオフィス環境においては、従業員に音声センサーなどを身に付けてもらうことで、コミュニケーションの量や質を数値化して分析できるようになります。コミュニケーションの状況を可視化することで、なぜ停滞しているのか、といった要因の把握が容易になり、迅速に改善のアクションを起こせるのです。改善策の具体例としては、「デスク配置を変えてみる」「組織構成を見直してみる」といったことが挙げられるでしょう。

働き方に多様性がうまれる

従来、「仕事はオフィスでするもの」という考え方が主流でした。しかし前述したように、新型コロナウイルス感染症の流行や働き方改革をきっかけにテレワークという働き方が浸透し、今では多くの企業が導入しています。

スマートオフィスは、オフィスを快適な空間にするだけではなく、自宅や出先といった離れた場所からもオフィスのさまざまなシステムやツールにアクセスできるよう、リモート環境を整えることも可能です。社員は自身が受け持つ仕事の状況によって、オフィスへ出勤したりテレワークをしたりと、柔軟性のある働き方ができるようになります。特に育児や介護といった事情を抱える社員にとっても、休職や離職をせずに長く働き続けられるようになるでしょう。

スマートオフィス化によって、社員は働く場所にとらわれず、常に最適化された環境の下で効率よく仕事に打ち込めるようになるのです。

固定費を削減できる

企業にとって、オフィスの賃料や水道光熱費などの固定費は業務効率性と密接にリンクしていることも多く、なかなか削減しにくいものです。例えば、光熱費を気にして、夏の蒸し暑い日に除湿なしでエアコンの設定温度も高くしてしまうと、不快な職場環境となり、生産性が下がってしまいます。

スマートオフィスではオフィスの居室空間を自動監視し、そこで働く人が快適であるようにシステム上で調整されます。ITシステムによって室温や湿度、照明などが常に最適化されるため、おのずと光熱費などの固定費は削減できるようになるのです。

スマートオフィスのデメリット

スマートオフィスの導入にあたっては、メリットだけでなくデメリットも事前にしっかりと理解しておくことが重要です。コストとセキュリティの両面から確認しておきましょう。

導入にコストがかかる

スマートオフィスを実現させるには、クラウドサービスやAI、IoTなどのITシステムやデバイスなどを活用しなければなりません。しかし、さまざまな機器を一気に導入しようとすると、多額のコストがかかることは否めません。そのため、まず現在のシステムの課題について洗い出し、新しいシステムに総入れ替えをする必要があるのか、部分的な導入で対応可能なのか、といったことを見極めることが重要です。

特に中小企業ではシステムの刷新にあまり予算をかけられないことも多いでしょう。優先度を決め、スモールスタートで導入していくことが成功の鍵となります。

セキュリティホールになりやすい

スマートオフィスでは照明管理や空調管理、勤怠管理など、さまざまなIoT機器のシステムがインターネットで相互に連携しています。IoT機器はいわば小さなPCともいえるため、不正アクセスやサイバー攻撃の標的になりやすいというデメリットもあります。

一度でも企業情報が漏えいしてしまうと、社会からの信用が失墜しかねません。普段からIoT機器のセキュリティ対策について理解を深め、安全に運用していくことが重要なのです。

スマートオフィスの実現に向けて

スマートオフィスを導入するにあたっては、メリットのみならず、デメリットも合わせて効果をシミュレーションするとよいでしょう。では、実際にスマートオフィスを取り入れることが決まった場合、具体的にどのようなポイントを押さえる必要があるのでしょうか。

社内のIT環境を現状把握する

スマートオフィスを実現するには、インターネット環境が安定して整っていることが何よりも重要です。もしインターネットにつながらなかったり、通信が不安定であったりする場合、IoT機器があっても活用できない状況になってしまうでしょう。そのため、特にインターネット環境はしっかりと確認し、どこでも安定してつながるように改善しておく必要があります。

また、現在使用しているPCやスマートフォンなどのハードウエアデバイスが、IoT機器に問題なくつながるかどうか、設定について確認します。さらに、各デバイスをIoT機器につなぐにあたり、スペックやセキュリティ対策に懸念はないかどうかもチェックするようにしておくと安心です。

一通りデバイスの確認をしたものの、もしIoT機器につなげなかったり、スペックが低かったりした場合、コストをかけて導入したIoT機器が生かされません。業務効率性も落ちてしまうため、スマートオフィス化の一環として買い替えも検討しましょう。

ITツールをさらに活用する

自社の持つ既存ITツールを活用したり、リプレースしたりする方法もあります。例えば、スマートフォンを社員に支給している場合、会議室予約アプリや生産管理アプリなどが導入できるでしょう。スマートフォンにはカメラが付いているので、QRコードを読み取るだけで勤怠管理を行えるようにするなどのシステムを構築することで、既存のスマートフォンが有効活用できます。

また、オンプレミス環境のサーバシステムを利用している場合は、クラウドサーバ環境への切り替えが有効かもしれません。導入や運用コスト面で考えると、クラウドの方が安価に抑えられるケースが多いため、検討する価値があります。

まとめ

スマートオフィスとは、最新のIT技術を駆使して自動化を進めることです。しかし、ただ単にITシステムを導入するだけでは中途半端な結果に終わってしまいます。さまざまな技術を活用しながら、ビジネスを根底から変革していくことを目指すというビジョンをしっかり持つことが重要なのです。

スマートオフィスを導入することで、最適化された職場環境の下、社員の心身をケアでき、エンゲージメントを改善できます。一方、社員は柔軟な働き方を選択でき、コミュニケーションの活性化も図れるでしょう。

これらのメリットは、業務における生産性の向上につながっていきます。ぜひこの機会にスマートオフィスを導入し、オフィス環境を改革してみませんか。

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