新規事業のためのアイデア創出における実践的ノウハウをわかりやすく紹介

 2022.04.15  2023.06.08

社会のデジタル化が進むと共に、新規事業のスタートアップもしやすくなりました。本記事では新規事業立ち上げの最適なタイミングや、立ち上げのプロセス、必要なアイデア創出の方法、企業の取り組み事例、役立つフレームワーク、新規事業立ち上げで失敗しないポイントなど、新規事業立ち上げに必要な情報をまとめています。

新規事業のためのアイデア創出における実践的ノウハウをわかりやすく紹介

デジタルトランスフォーメーション(DX)に 取り組むエンタープライズ企業の成功と挫折の現状

新規事業の重要性

少子高齢化により国内市場は縮小する一方、市場のニーズはますます多様化しています。また、あらゆる業界でグローバル化による国際競争力が求められています。既存の製品やサービスのニーズも絶えず変化し、市場の変化に対応できない製品やサービスは市場から淘汰されかねません。さらにモノのインターネットといわれるIoTやAI、ビッグデータ、ロボットによる業務自動化(RPA)などのIT技術で、デジタルトランスフォーメーション(DX)も加速しています。

今後は企業を取り巻く産業構造が大きく変化する可能性があります。変化が速い市場環境で製品やサービスのライフサイクルも短くなるため、従来と変わらずに同じ事業で成長し続けることは困難でしょう。企業が今後も継続して成長するためには、既存の事業に固執することなく、時代のニーズを捉え、積極的に新規事業の開拓に取り組むことが重要です。

企業の新規事業に関わる戦略には新たな販路を見いだす新市場開拓、既存市場で新製品やサービスを展開する新製品開発、既存の事業とともに新市場で新製品やサービスを展開する多角化、既存の事業を縮小・廃止しながら新市場で新製品やサービスを展開する事業転換などがあります。いずれの取り組みでも経常利益の増加につながっているため、新規事業の展開が重要であることがわかります。

コロナ禍の今は新規事業立ち上げのチャンス

新型コロナウイルスの影響で社会全体で人々のライフスタイルそのものが大きく変わっています。当たり前だったオフィス勤務がリモートに変わり、多くの企業でテレワークが導入されています。社会システムそのものが激変すると、これまでは考えられなかった大きな市場ニーズが生まれるため、新規事業創出のチャンスです。

例えば対面だった販売は自動販売機を導入することで、24時間365日販売できるようにする、専門店でしか食べられない高級食材を加工し、手間をかけずに食べられる製品として開発する、女性用下着の製造技術を活かしたレース付きのマスクを販売するなど、さまざまなアイデア創出による新規事業が生まれています。

参照元URL:日本政策金融公庫 コロナ禍に立ち向かう事業者の取り組み

新規事業を立ち上げるおすすめのタイミング

新規事業の立ち上げでは、市場に参入するタイミングを見極めることが重要です。市場のトレンドやニーズは絶えず変化しているため、市場参入のタイミングを見誤ると新規性が薄れ、競合他社との競争で新規事業のメリットが活かせなくなります。ただし、企業の状態が新規事業を立ち上げるのに適したタイミングかどうかを考える必要があります。

企業は事業活動の状態によって4つのフェーズに分かれます。まず、企業活動をスタートしたばかりの創業期、そして既存事業が軌道に乗り始めた成長期、経営が安定して来た成熟期、最後は売上げが減少する衰退期です。

創業期はまだ既存事業の広報、認知活動に力を入れる時期で、市場の信頼を得る必要があります。既存事業以外に事業を手がける企業の体力がないことが多く、新規事業の立ち上げは時期尚早です。

衰退期は競合他社との売上げ競争で消耗し、収益悪化により新規事業の立ち上げに必要な人材や資金を捻出する余裕がありません。一般的には新規事業の立ち上げには厳しい時期です。一方で既存事業が低迷している状態を抜け出すため、新規事業を立ち上げるケースがあります。その際は時間をかけずに成果を出すことが必要です。

ただし、大胆で画期的な発想が求められる新規事業で、失敗を恐れて慎重になり、手遅れになる、失敗してしまうリスクはあります。そうなると企業活動の衰退を早める結果になりかねません。新規事業の立ち上げは企業の成長期、または成熟期が望ましいです。

成長期

既存事業が軌道に乗っている成長期は、人的資源や資金面が充実しています。新規事業で必要な投資や経費を負担する余裕があり、仮に新規事業で損失が発生しても、既存事業の収益で補う資金力があるケースが多いです。既存事業が順調な時期は社員の気持ちもポジティブになり、新しい事業に前向きに取り組みやすくなります。社内の雰囲気もよく、マインド面でも新規事業の成功につながりやすいといえます。

成熟期

既存事業が安定している成熟期も新規事業の立ち上げに適しています。資金力は問題なく、成熟期に入るとベテラン社員の人的資源を活かし、経験とスキルを新規事業のアイデア創出や事業企画、事業計画に反映させることが可能です。成熟期に入った企業はその状態を維持し、衰退期へ移行しないように手を打つ必要があります。そういう意味でも新規事業を手がけることは企業経営にプラスに働くでしょう。

新規事業立ち上げのためのプロセス

業種や職種にもよりますが、新規事業をゼロから立ち上げるには、多くの時間とコストがかかります。新規事業が軌道に乗り、収益が上がらなければ、企業は多額の損失を被ることになります。立ち上げは慎重に計画を立てることが重要です。まずは新規事業の立ち上げの際に重要な5つのプロセスについて解説します。

①アイデア出し

最初に新規事業の目的を確認することが大切です。既存事業の競争でリスクを分散するのか、多角化で異業種に参入するのか、目的が明確だとアイデアが出しやすくなります。その上で商品やサービスは消費者の視点が重要です。消費者が抱えている課題を解決するような商品やサービスなら、需要が期待できます。解決志向が強すぎて、企業側がやりたいことを重視して事業計画を進めてしまうと、市場から必要とされない商品やサービスになってしまう恐れがあります。

また、あまり一般的なニーズだと競合他社が先行している可能性が高いです。まだ一般的に把握されていないニッチなニーズの方が、新規事業の成功率が高まります。アイデア出しの際は従来の既存事業を念頭に置いた発想では、アイデアの幅が狭まります。自社事業や競合他社など一般的な企業目線のマーケティングではなく、ゼロベースで自由に発想することをおすすめします。女性や子ども、高齢者、障がい者など顧客の視点を変えてみる、そういう方たちの声を聞くのも有効です。アイデアの段階では質より量にこだわり、なるべくたくさん集めるようにしましょう。

②マーケットニーズの調査・分析

アイデアがある程度固まってきたら、その分野の市場調査を実施します。具体的にはニーズがどのくらいあり、売上げはどのくらい見込めるかを調査することです。参入する市場が大きければ、売上げ規模も大きくなりますが、競合する企業も増えます。既に多くの競合他社が参入し、市場が飽和状態であれば、後から新規参入しても事業の将来性は期待できません。新規市場の市場は成熟する前で競合他社が少ない方が望ましいでしょう。

顧客ニーズは徹底的に検証します。仮設ではなく現実はどうなのか、対象地域や業界のインタビューやアンケートなどを用いた検証が大切です。統計などの資料収集も使って正確な情報を集め、分析に役立てます。その後、ユーザーに対し、どのような価値を提供していくかビジネスモデルの仮説を立ててください。

③領域・理念・ビジョンの決定

顧客ニーズの検証が済んでも、すぐに事業化できるわけではありません。アイデアだけで計画を進めると失敗のリスクが高いため、データや根拠をもとに少しずつ事業計画を組み立てていきます。次に事業ドメイン(領域)を決めます。事業ドメインとは事業を展開する領域のことです。誰に商品やサービスをどのように提供するかが明確になれば、事業内容もはっきりしてきます。

事業計画のプロジェクトを進めるには理念やビジョンなど、最終的なゴールを参加メンバーが理解しておくことがとても重要です。自社事業の社会的意義や役割を定義し、メンバー全員が共有することで、同じ方向性で協力する体制が作れます。その際に理念・ビジョンは言葉だけでなく、文字化し、正確に伝えることが大切です。

チーム参加メンバーの方向性を合わせるために効果的なフレームワークがMVVです。Mission(使命)、Vision(未来像)、Values(価値観)の頭文字を合わせた言葉で、理念やビジョンを明確にできます。自社や新規事業が社会で果たすべき役割やそれを実現したときの状態、自社や社員の行動指針となるポリシーを明確にすることが可能です。MVVは企業や事業の根本であり、方向性で迷ったときの指針となります。参加メンバーがMVVを共有し、理解することが大切です。

④収益と市場の把握

アイデアが決まったら、事業化できるかを検討します。顧客のニーズを満たし、どんなターゲット層が購入するのかをリサーチします。ターゲット層の特徴や求める商品、サービスの条件、アプローチする方法などの項目がリサーチ対象です。事業化の条件を満たすかどうかは「新奇性」「解決性」「収益性」がポイントになります。

新奇性は従来とは異なる独創的な新しさがあるか、価値を創造できるかという視点です。解決性はアイデアの事業化により、顧客の課題やニーズに応えられるかで、この要素がないと必要とされない恐れがあります。収益性はどのくらいの収益が見込めるかで、経営層の理解を得るために必要です。新規事業の収益化は時間がかかることが多いため、中長期プランの説明資料を用意しておくとよいでしょう。

⑤経営資源の確保と事業計画の構築

新規事業を成功させるためには経営資源を確保し、製品やサービスを開発するために必要な環境を整える必要があります。例えば、設備や仕入れ費用、人件費などの資金と、プロジェクトチームの人材、製品やサービスを作るためのノウハウなどが挙げられます。事業開始までに資金や補助金を調達し、人材が足りない場合は新たに採用することも検討しましょう。自社にないノウハウは外部からの採用も必要です。

新規事業のプランが明確になったら、具体的な事業計画に落とし込みます。いつ、誰が、なにを行うか、現実的な計画を立てることが重要です。例えば無理なスケジュールで計画すると十分な準備ができない恐れがあります。無理のない現実的な日程を立てるようにしましょう。

新規事業に必要なアイデアの出し方

アイデア創出は質より量と理解できても、そもそもアイデア自体が簡単に出てこないことが多いでしょう。アイデア出しの前にマインドセットが必要です。新規事業の目的を確認することはもちろん、今から生み出そうとしている新規事業が市場に受け入れられ、軌道に乗れば、顧客や自社、社会がどのように変化するか、成功した未来像をイメージすることも有効です。その上で、独自性があるアイデアを出す方法を紹介します。

既存アイデアの組み合わせ

新規事業のアイデアを生み出す方法を大きく分けると、既存事業の技術やリソースを活用する方法と、無関係の事業に取り組むという2つのパターンがあります。ビジネス書の名著である「アイデアのつくり方」によれば、「アイデアは既存の要素を新しく組み合わせること」と書かれているように、一見、独創的で革新的に見えるサービスでも、元は既存のリソースの組み合わせで成り立っていることが大半です。

世の中にまったく存在しないアイデアをゼロから発想するより、既存アイデアを組み合わせた方が取り組みやすいでしょう。既存の技術やリソースの価値を再評価するとアイデアのイメージが広がります。事業立ち上げの負担やリスクが低いことも、既存の自社のリソースで新規事業を始めるメリットとして挙げられます。他社の成功事例を参考にするなど、多くの情報をインプットすることも大切です。例えば写真フィルムメーカーがフィルム製造技術を活用して化粧品を開発しています。

世の中の課題に着目

現在、市場で流通している商品やサービスは、世の中の課題を解消する目的で生まれたビジネスが多いです。組織や社会が抱えている課題が解決されると、どんな未来が描けるか、どんな価値が生まれるかという視点を持つと、新規事業のアイデア創出につなげられます。本当に困っていることを解決してくれる商品やサービスなら、人はその対価を支払うはずです。自分が感じている不満や不便を書き出してみてもよいでしょう。その際はまだ、気づいていない潜在的な課題に目を向けることが大切です。

そして課題を解決するために必要な技術やリソースと、想定される価格で収益性があるのか、事業が成り立つか、収支バランスが図れるまでビジネスモデルの仮説を繰り返し検証します。新規事業のアイデア創出については以下の記事も参考にしてください。

参照元URL:デザイン思考

有識者の知見を借りる

新規事業の立ち上げではアイデアや積極性を持ち、共通の目的や理念を共有できる社員を中心に、チームを編成することが望ましいでしょう。その上で有識者の知見を借りるようにします。まず、自社の事業を立ち上げた経営者に相談することです。普段から新規事業のアイデアを探す習慣があり、経営リソースや人的ネットワークも十分なはずです。ベンチャーで起業した経営者は特に新規事業に積極的な傾向があります。アイデア創出やヒントになる話が聞けるでしょう。

新規事業を進めている他企業の担当社員と情報交換する方法もあります。どこまで内容を伝えるか課題はありますが、成長が期待できる分野などの情報を得られるかもしれません。また、コンサルタントといった外部のプロ人材を活用する方法も有効です。新規事業支援を専門にしているコンサルタントであれば、さまざまな業界で新規事業のアイデア創出のノウハウがあります。実績が多い業界や職種、新規事業のプロセスで得意なフェーズ、支援方法などをチェックして選定することをおすすめします。

世の中の方向性(メガトレンド)を掴む

新規事業を立ち上げ、成長させていくためには、短期間ではなく中長期のビジョンを持って収益化できなければなりません。そんな事業領域を見つけるときにはメガトレンドを掴むことが重要です。メガトレンドは世界の現状を形作るくらいのスケールを持つ、グローバル経済のマクロな動きを指します。メガトレンドは実証データで裏付けされていることが多く、国際社会の課題として位置づけられますが、同時に大きなビジネスチャンスです。

例えば、世界人口は今世紀半ばに100億人に達するというデータがあります。気候変動のリスクがある中、食料や農業への関心が高まり、世界的な高齢化でヘルスケアへのニーズ、脱炭素化など再生可能エネルギーへの転換など、持続可能な社会に移行する必要性があります。これらの課題はグローバルなメガトレンドです。持続可能性を促進するカーボンニュートラル製品、電気自動車、廃棄物リサイクル、蓄電池や分散型電源、食品ロス削減、スマート農業、再生医療、デジタルヘルスなどの事業領域は有望と考えられます。

フレームワークの利用

アイデア出しのフレームワークを活用すると、思考が加速され、問題解決をサポートしてくれます。

マンダラート

マンダラートはアイデア出しの発想を広げられるフレームワークです。まず、縦横に3マスずつの9マスを描きます。その中心にアイデア出しのテーマを記入し、関連するアイデアを残りの8マスに書き込んでいきます。それが終わったら、8マスのアイデアそれぞれを中心に据えて、関連する8つのアイデアをさらに書き込むのが一般的です。マンダラートを使用すると、最初のアイデアから8倍×8倍に簡単にふくらませられます。

SCAMPER(スキャンパー)法

SCAMPERは7つのアプローチでアイデア発想をサポートするフレームワークです。Substitute(代える)、Combine(組み合わせる)、Adapt(適応させる)、Modify(修正する)、Put to other uses(転用する)、Eliminate(削減する)、Reverse/Rearrange(逆転する/再編成する)の頭文字を取っています。7つの視点の質問に答えることで、自然に発想が促される仕組みです。考案者の名前から「オズボーンのチェックリスト」ともいいます。

6W3H

アイデア創出や課題の発見に役立つ方法として、よく知られているのが5W1Hです。What、Who、When、Where、Why、Howの6つの要素を使って、抽象的なテーマを、なにを、誰が、いつ、どこで、なぜ、どのようにと、より具体的な内容に落とし込めます。それらの情報をさらに具体化できるのが6W3Hです。5W1HにWhom、How many、How muchを加え、誰に、どれだけ、いくらでという分析項目を3つ加えます。そうすると曖昧な情報も現実的な内容に落とし込めるので便利です。

大手企業における新規事業への取り組み事例

大手企業が新規事業を進めるためにはプロジェクトチームだけでなく、組織として取り組む必要があります。大手企業が新規事業を手がけるケースには、既存事業で培ったノウハウを活かす、ペット関連商品など成長する業界に参入する、レンタルやシェアリングサービス、フードロスを減らすビジネスをスタートするなどが挙げられます。または資本力を活かして事業を買収すれば、一から事業を立ち上げる必要がありません。

続いて、大手企業の新規事業への取り組み事例を紹介します。

製造業

大手家電メーカーはこれまで多くの家電製品を開発してきた技術・ノウハウをもとに、激変する社会の課題を解決し、新しい価値を生み出すプロジェクトを立ち上げています。その分野や住空間・家事、育児・教育、メディア・エンターテイメント、食、美容・健康、スポーツと広範囲です。最近は他業種の新規事業立ち上げ支援制度と一緒に、革新的な取り組みを実施しています。

データ通信事業

社会インフラを支える大手データ通信会社は、革新的な新規事業を生み出す専門部署を立ち上げ、将来性のあるベンチャーやスタートアップ企業とともに、新規事業の創発を勧めています。具体的には顧客企業、ベンチャー企業、新規事業担当者が参加するフォーラムや、事業立案を社内外から受け付けるコンテストを開催しています。大手ならではの企業ネットワークの強みを活かした新規事業の創発です。

インターネット広告事業

大手インターネット広告会社は、執行役員を中心としたチームによる会議を開催しています。未来につながる新規事業や課題を解決する方法を提案し、決議する会議です。執行役員が年に2回、新規事業の責任者や専門的な人材で選抜チームを組み、それぞれの提案を競い合わせ、ランキング方式からトーナメントに変更するなど工夫しています。会議の決議で設立された子会社は2020年9月末時点で32社、累計売上高2,880億円と事業拡大に貢献しています。

新規事業立ち上げに役立つフレームワーク

アイデア創出の後は、事業の実現性などを検証する必要があります。新規事業の事業性を分析・検討するのに役立つフレームワークを紹介します。

SWOT分析

SWOT分析は自社の市場でのポジショニングや競合他社の状況を把握し、経営戦略を検討するフレームワークです。内部環境の強み(Strength)と弱み(Weakness)、外部環境の機会(Opportunity)、脅威(Threat)の4つの項目で、自社商品・サービスが該当する内容を整理し、まとめて戦略を練ります。

クロスSWOT分析

クロスSWOT分析はSWOT分析で列挙した4つの要素を掛け合わせ、それぞれの項目で戦略を練るフレームワークです。掛け合わせは、強み×機会、弱み×機会、強み×脅威、弱み×脅威となります。例えば、強み×機会は強みを活かしたビジネスチャンスと捉え、戦略を立てます。

3C分析

3C分析は、経営戦略に必要な顧客(Customer)、自社(Company)、競合他社(Competitor)の3つの視点で事業の方向性や、マーケティング環境を分析するフレームワークです。客観的でバランスの取れた経営戦略を立てるために用いられます。もっとも重要なのは顧客の視点で顧客にフォーカスし、自社と競合他社を比較して、優位に立つための戦略を検討することです。

VRIO分析

VRIO分析は経営資源が業界の競争で優位性を保てるか、経済的価値(Value)、希少性(Rareness)、模倣可能性(Imitability)、組織(Organization)の4つの視点で分析するフレームワークです。自社の商品やサービス、ヒト・モノ・カネ・情報の経営資源の市場価値を見極める際に使用します。

新規事業で失敗しないためには

新規事業で成功し、継続できている確率はとても低いといわれます。成功と失敗に分かれるポイントはノウハウのなさ、人材の問題、検証スピードの遅さなどがあり、既存事業で作られた固定観念や過剰な自信によって事業撤退が遅れることも原因です。ここからは新規事業で失敗しないための方法を解説します。

新規事業の目的別に取り組み方を変える

新規事業は小さく始めて大きくしていくのが基本です。初期段階では事業の確実性、経営戦略との整合性、中長期段階では持続的な収益性、成長拡大のストーリーが可能かを検証します。その上でビジネスモデルを3つに分類します。常に社内ベンチャーで新規事業に取り組む新築型、既存事業の移行先を立ち上げて準備する引っ越し型、本業と連携して新たな事業を構築する改築型です。3つのモデルごとに短期間で成果を上げる事業、目先の利益ではなく長期ビジョンで大きく育てる事業など、取り組む方法を変えることが大切でしょう。

人材を育成する

新規事業に取り組むプロジェクトチームは、経営戦略に合わせた人事ポリシーで人材を育成することが必要です。意識を共有できる少人数の社員でチームを組織し、外部から知見を集めるための人材も積極的に採用します。新規事業を成功させるためには、人材育成とモチベーションを高める環境作りも必要です。

ターゲットを絞る

ターゲットを絞らず、広く設定すると、商品開発やサービスの質を向上できず、顧客の満足度を高められません。新規事業に関わらず、すべての事業はマーケットの狙い目を明確にすることで成り立ちます。年代だけでなく趣味やライフスタイルなど、さまざまな視点から細かく絞り込み、狙い目のターゲットを決めます。

検証から改善までのスピードを高める

新規事業の成功にはスピードが大切です。計画から実行、検証、改善のPDCAサイクルのスピートを早めなければなりません。仮に事業が失敗したと判断しても、素早く撤退すれば、ダメージを抑えて次の新規事業につなげられます。新規事業は事業企画や事業計画に時間をかけて実施するのではなく、必要な準備ができた段階でスモールスタートをするのがおすすめです。

まとめ

規模を問わず、企業が持続的に成長していくためには、新規事業に取り組む必要性があります。新型コロナウイルス感染症の影響でライフスタイルが大きく変革を遂げている昨今は、新規事業創出のチャンスです。

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