CTC DX Days 2023 イベントレポート【後編】

 2023.08.30  2023.09.12

前半では、先進的なDXの取り組みをされている企業様によるご講演を紹介しました。
CTC DX Days 2023 イベントレポート【前編】

後半では、CTCの「グリーントランスフォーメーション(GX)支援」について、CTCアメリカ駐在員によるシリコンバレー発のDX最新動向の要点をお伝えします。

デジタル化を推進すべき”23の領域” とは?

【CTC講演】脱炭素社会実現に向けた、CTCのGX支援のご紹介

【CTC講演】脱炭素社会実現に向けた、CTCのGX支援のご紹介

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
科学システム本部
科学ビジネス企画推進部 
リードスペシャリスト
早﨑 宣之

今回は、脱炭素社会の実現に向けたCTCのGX(グリーントランスフォーメーション)支援をご紹介させていただきます。皆さんは脱炭素について実感を持ちにくいかもしれませんが、世の中の動きは着実に進んでおり、規制やルールの具体化も進んでいます。企業としてもカーボンニュートラル(脱炭素)への取り組みが求められています。そこで、私たちCTCがどのような支援を提供できるのかをご説明します。

多彩なテクノロジーと長年の知見を活用したサービスを展開

私はCTCのエンタープライズ事業グループの科学システム本部に所属しています。当グループは幅広い業種でサービスを提供しており、特に科学・工学の分野における解析・シミュレーション技術を中心としたソリューションを提供しています。有資格者の中には博士号を持つ専門家も多く、高い専門技術を活用してサービスを展開しています。

当グループの特徴は、多彩なテクノロジーを持ち合わせていることです。シミュレーションだけでなくAIや解析に関する技術も得意としています。また、長年の経験により、再生可能エネルギーから建設分野・材料分野・原子力までの知見を積み重ねてきました。これらの多彩なテクノロジーと幅広い領域の知見を組み合わせたサービス展開を行っており、カーボンニュートラルやGXに関する課題にも対応しています。

企業に求められる脱炭素への取り組み

GXは、脱炭素・ネットゼロを目指し、社会的な変革を進める動きです。気候変動が激しさを増している中、2030年に向けた脱炭素の動きが重要視されています。日本の企業は脱炭素の圧力にさらされており、情報開示が求められています。

日本ではプライム市場上場企業には情報開示が義務づけられており、取引条件にも脱炭素の要件が含まれる事例が増えています。また、政府も企業に脱炭素への取り組みを重視するように促しており、企業は脱炭素に関する具体的な対応が求められています。

さらに欧州では排出権取引制度のルール化が進んでおり、各企業に排出枠が決められています。しかし、排出枠を超えた場合は外部から枠を調達(購入)して相殺しなければなりません。このような取り組みにより、ヨーロッパに拠点を持つ企業はGHG(温室効果ガス)排出に関してコストアップを強いられることになります。日本でも具体的なルールはまだ存在しませんが、グローバル企業は今後ますます対応を求められるでしょう。

企業がGXに取り組む意義と課題

こうした背景があり、企業としては、GXへの取り組みが基本要件となりつつあり、従来の「事業価値」に加えて「社会的な価値」を訴求することが必要とされています。その中で、リスク回避や競争優位性の確保、新規事業の機会としてGXに取り組む企業が増えています。

一方で、GXの推進には企業が抱える課題も存在します。まずは現状の見える化が必要であり、GHG関連のデータ収集体制の整備が課題となっています。また、見える化と併せてGHGの削減に取り組む必要がありますが、具体的な方法や技術開発がまだ見えていません。

これらの課題に対応するために、CTCはDXでの知見や科学システム本部のテクノロジーを活用することで、見える化と削減の両面からGXを支援していきます。デジタルをフル活用した支援を行い、データとテクノロジーを組み合わせてGXに貢献していきたいと考えています。「デジタルをフル活用したGX支援」というコンセプトでGXサービスを進めていく予定です。

CTCが提供する GX ソリューションによる脱炭素施策への貢献

企業がGXを進めるにあたり、CTCは以下の連携が重要と考えています。

  • GHGデータのシステム基盤と連携した経営企画部門の脱炭素経営の推進
  • GHGデータのシステム基盤と連携した事業・拠点部門のGHG削減活動の推進

このため、CTCは「GXデータプラットフォーム」の提供や「GXソリューションフレーム」を通じて両面に支えることを目指しています。

具体的なイメージとしては、データソースからデータを集めて収集分析し、脱炭素施策に向けた対応を検討し、削減活動につなげることです。これにより、企業の経営企画部門の戦略策定や事業・拠点部門の施策に貢献することができます。

CTCのGXソリューションとして、経営企画部門の戦略策定を支援するソリューションや事業・拠点部門のGHG削減に向けた施策を実施するためのソリューションなどがあり、今回はこの中から3つのユースケースをご紹介します。

1つ目は再エネに関する取り組みで、「再エネ・アグリゲーション」という伊藤忠商事とのビジネス共創の実証事業です。これは再エネの発電事業者に対して、CTCのデジタル技術と伊藤忠商事の電力需給のノウハウを融合したサービスを提供する取り組みです。この取り組みでは、データとテクノロジーのノウハウを活用し、AWS上にReRAS(リーラス)という基盤を構築しています。

2つ目は「設備利用の効率化とCO2削減」に関するユースケースです。デジタルツインを活用した工程最適化シミュレーションにより、製造ラインの効率化とCO2削減を両立させるソリューションを提供しています。データとテクノロジーを組み合わせることで、CO2排出量を考慮した運用方法を策定し、より優れた効果を実現します。

3つ目は「生産設備の更新計画最適化」のユースケースです。2つ目のユースケースのシミュレーション範囲の拡張です。生産設備だけでなく、製造工程を含めた工場全体のシミュレーションにより、企業の新たな導入計画をサポートします。CO2排出量などを事前にシミュレーションすることで、企業の効率的な運営を支援し、CO2削減にも貢献できると考えています。

これらの取り組みにより、CTCはGXの推進に貢献し、脱炭素施策の実現を支援していきます。

まとめ

今後GXを進める上では、様々な試行錯誤やデータの活用が必須です。前述のデータとテクノロジーの観点より、CTCのDX のソリューションおよび科学システムのシミュレーションを初めとしたソリューションを掛け合わせることで、今後の脱炭素社会の実現に向けた GX に貢献していきたいと思います。

C-Native 企業のDX実現に向けたクラウドネイティブソリューション
デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組むエンタープライズ企業の成功と挫折の現状

【CTC講演】Future of Enterprise Tech

【CTC講演】Future of Enterprise Tech

ITOCHU Techno-Solutions America, Inc.
Director, Business Development
高橋 紘樹

ITOCHU Techno-Solutions America, Incがオフィスを構えるシリコンバレーより、昨今のエンタープライズITのトレンド情報をご紹介します。

今回お伝えする話題は、「セキュリティ」「データ」「AI」「オープンソース」の4つです。

日本でも報道されているようにエンタープライズIT界隈ではレイオフが増加しており、特に昨年の9月以降に急増しています。GoogleやMeta、Microsoft、Amazonなどで大規模なレイオフが続いており、特にAmazonは最大規模になっています。

しかし、シリコンバレーではレイオフに対する見方が楽観的で、過去の急成長による積極採用の反動として解釈されており、GoogleやMicrosoftは依然として多くの求人を出しています。ITエンジニアの中でも、シニアソフトウェアエンジニアの募集が最も多い職種であり、平均サラリーは17万5000ドル(約2500万円※)です。レイオフが続く中でも求人数は変化し、サラリーも上昇しています。
※1ドル=¥140計算

レイオフの背景にはアメリカの金利上昇があり、企業活動における資金調達の資本コストが上昇したため、企業の信用力低下や銀行破綻が生じている状況です。ベンチャー投資も一時的に減少しましたが、今後は大手企業によるM&Aが増加する見込みです。

ベンチャー投資に関してHPEの事例では、ストレージ・データセンター、AI、マシンラーニング・データ分析、5G・サイバーセキュリティに関連した買収や提携が主要な動きとなっています。ベンチャー投資は地域によって異なり、50%以上を北米(カリフォルニア、ニューヨーク、マサチューセッツ各州が大部分)が占めるほか、次いでアジア(中国、インドで7~8割)、欧州(イギリスが3分の1)が大きな投資額を占めています。こうした中、シリコンバレーはベンチャー投資において最重要な拠点の1つと考え、弊社はそのトレンドについて調査を行っています。

【CTC講演】Future of Enterprise Tech02

エンタープライズITにおけるカテゴリーの中で急成長を続けている領域として、サイバーセキュリティ、ビッグデータ、AI、オープンソースが挙げられます。弊社では、これらの領域に特化して調査に取り組んでおり、最新の動向をお伝えしてまいります。

①セキュリティ
APIセキュリティのリーディングカンパニーが日本市場に進出

まずセキュリティ領域についてご紹介します。セキュリティ関連のプロダクトの最新状況としては、SIEM(Security Information and Event Management)、クラウドセキュリティ、ネットワークID/アクセスセキュリティ、エンドポイントセキュリティのカテゴリーに著名なプレーヤーや新たなスタートアップが日本進出を果たしています。一方で、アプリケーションセキュリティ、IoT&OTセキュリティのカテゴリーはまだ日本に有力なテクノロジーカンパニーが進出していません。

4月にサンフランシスコで開催されたRSA Conference 2023では4万2000人の参加者が集まりました。特に注目されているキーワードはAI、マシンラーニング、セキュリティであり、OTセキュリティのトレンドも浮上しています。このカンファレンスに参加いただいた日本の企業の皆様に向けて 、弊社ではプライベートイベントであるRSA Conference Private Partyを開催しました。リモートワークが続く中で対面でのコミュニケーションを促進する場としてご用意した形です。

また、注目のスタートアップとして、APIセキュリティに特化したCequence Security(2014年にカリフォルニアで設立)が挙げられます。Cequence SecurityはAPIの脆弱性を検出し、Bot攻撃などに対して遮断するプロダクトを提供しており、日本展開にも注目が集まっています。

②データ
モダンデータスタックの進化と日本展開へ:CensusのリバースETLツール

次に、データ関連の注目プロダクトについてご紹介します。データソースからデータウェアハウス(DWH)への移行ツールやその逆のDWHからデータソースへ戻すツール、さらにBIやマシンラーニングのプラットフォームへのデータの連携に関わるツールなどが出てきています。またデータ分析やデータのガバナンス、オブザーバビリティを実現するためのツールも存在しており、アメリカで注目されています。

こちらも4月にサンフランシスコでModern Data Stack Conferenceが開催され、30社が集まりました。また、6月にはSnowflake Summitがラスベガスで、Data & AI Summitがサンフランシスコで開催され、弊社でもModern Data Stack Private Partyをサンフランシスコで開催する予定です。このパーティーではFivetran、dbt、Alation、Immuta、Mode、Censusなど、モダンデータスタックの主要なプレーヤーが登壇予定です(※)。
※本イベントは2023年6月末で終了しています。

同領域ではCensus(2018年にサンフランシスコで設立)が注目される企業で、DWHからデータソースに戻すリバースETLツールを提供しています。このツールはデータの収集と分析を効率化するもので、日本でも展開されることが期待されています。

③AI
進化するGenerative AI:セキュリティと効率化で企業の未来を拓く

続いて3つ目はAI のプロダクトについてです。日本でもGenerative AIが注目を浴びている中、シリコンバレーでは投資の増加傾向が見られます。特に2023年に非常に伸びており、実際にMicrosoftからOpenAIに大型の出資が行われる事例もありました。

Generative AIはIT全体の中で成長している領域であり、企業利用において注目されています。企業がGenerative AIを活用する際にはセキュリティや社内データの組み込みなどが課題となりますが、この点に弊社は注力しています。

Aitomatic(2021年にカリフォルニアで設立)という非常に若い会社も注目されており、同社は現場作業の効率化に特化したAIチャットボットの実現を目指す考えです。日本企業との事例もあり、弊社もこのような企業に注目して、エンタープライズで使える AI チャットボットを展開していきたいと考えております。

④オープンソース
COSS:次世代への進化、オープンソースソフトウェアの可能性

最後にオープンソース領域についてご紹介します。エンタープライズソフトウェアの変遷を振り返ると、かつては各企業による自社開発やSIerによるプロダクト開発が主流でしたが、開発にかかる時間とコストが課題でした。その後ベンダー既製品の購入(Commercial off-the-shelf 、COTS)が登場し、コスト削減が実現されましたが、機能面で融通が利かないという課題がありました。そしてSaaSが現れ、インストールやコストの削減が可能となりましたが、ベンダーロックインの問題が残されています。

現在はSaaSが主流ですが、COSS(Commercial Open Source Software)が次の進化形として注目されています。COSSは機能とコストの両立が可能で、またベンダーロックインも回避できます。現時点ではSaaSが普及していますが、成長率から見るとCOSSが急速に伸びていく見込みです。弊社では3年~5年という中長期スパンでCOSSにも取り組む必要性があると考えております。

また、特定の産業やバーティカルに特化したオープンソースソフトウェアも注目を集めています。一例を挙げると、金融領域のプロダクトを展開するOpenBBというスタートアップが2021年にロンドンで設立されました。こうした事例から、皆さんの業界においても注目されるオープンソースソフトウェアが今後登場する可能性があると考えられます。弊社ではこうしたオープンソースのプロダクトに注目し、今後調査を進めていく予定です。

まとめ

シリコンバレーでは、レイオフが増えている一方で、ベンチャー投資は盛んに行われています。特にデータ系、セキュリティ系、AI系、そしてオープンソース系のスタートアップが注目を集めています。弊社ではシリコンバレーの動向を調査し続け、皆様に最新の状況やソリューションをお届けできるよう努めてまいります。

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