DevOpsとは?概要からメリットまで初心者でもわかるように解説

 2021.12.02  2022.09.06

ITは衰えることなく進化し、驚くほどのスピードで成長しています。

ビジネスにおいてITは欠かせないものとなりました。ITの進化についていくために開発手法や考え方を取り入れることは今後ますます必然となるでしょう。迅速かつ効率的に開発・運用し、システム利用価値の最大化を目的とするDevOpsの考え方が有効的です。ここではDevOpsの概要からメリットまで、初心者でもわかるように解説します。

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1. DevOpsとは?

DevOps(デブオプス)は開発(Development)と運用(Operation)を組み合わせたDevelopment and Operationsの略語です。開発担当と運用担当が密接に連携・協力し合い、スムーズかつスピーディーに開発し運用するという考え方のことです。開発と運用が密に連携することで、より満足度の高いソフトウェアやサービスの提供が可能です。システム価値の改善・向上を継続し、利用価値の最大化をはかることを目的としています。

近年では、ビジネスにITは不可欠なものであることから、開発担当と運用担当にビジネス部門を加えたBizDevOps(ビズデブオプス)という、3者で協力してIT推進を行う考え方も重視されています。また、企業にとってセキュリティ対策は避けられない課題であり、セキュリティ部門を加えたDevSecOps(デブセックオプス)というセキュリティを強化する考え方も注目されています。

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2. DevOpsの目的と基本知識

DevOpsの目的は、開発担当と運用担当が密接に連携・協力し合ってスムーズかつスピーディーに開発・運用し、システム利用価値の向上を継続することです。

DevOps では「Respect」「Trust」「Healthy attitude about failure」「Avoiding Blame」の4つの考え方が基本とされています。

  • 【Respect】お互いを尊敬・尊重する
    メンバーはお互いに尊重しあうこと。思いやりをもって接することで、コミュニケーションが円滑になります。

  • 【Trust】チームメンバーを信頼する
    メンバーはお互いに信頼しあうこと。開発者、運用者の壁を越えてシステムに関わる全てのメンバーを信頼することが大切です。

  • 【Healthy attitude about failure】失敗を責めずに健全な考えをもつ
    失敗に対し相手を責めずに健全な態度をとること。失敗はチャレンジすれば起こるもので、担当者を責めるのはおかしいという考えです

  • 【Avoiding Blame】相手を非難しない
    相手を非難しないこと。ミスや問題はどうしても起こりうるので、改善して同じことが起こらない取り組みをすることが重要です。

従来は、同じシステムやサービスを構築していくにも、開発と運用は別々に働くのが一般的でした。安全に計画通りにリリースしたい開発担当と、機能追加を要望し早くリリースしてほしい運用担当で対立が起きるということは少なくありません。両者の対立を解消し、スムーズに開発・運用できるのがDevOpsです。

3. DevOpsに欠かせない技術と手法

DevOpsを実現するには、マインドだけではなく、適切な方法を採用することが重要です。DevOpsに欠かせない技術と手法について解説します。

CI/CD

CI/CDとは「Continuous Integration/Continuous Delivery」の略語で、日本語では継続的インテグレーション/継続的デリバリーと訳されます。継続的インテグレーションはシステム開発において、ビルドやテストを自動化して継続的に実行する仕組みを指します。継続的デリバリーは継続的インテグレーションを拡大したものです。テスト環境またはステージング環境にデプロイし、より高レベルな結合とテストを自動的に行い、新しい変更がリリース(本番環境へのデプロイ)可能であることを保証するプロセスです。CI/CDによって、開発におけるビルド・テスト・デプロイを自動化して継続的に行い、製品やサービスを常に改善できるようになります。継続的なシステム価値の改善・向上を目指すDevOpsにおいて欠かせない開発手法です。

コンテナ

コンテナとは、アプリケーションの動作環境を仮想的に構築する技術の一つです。従来のサーバー仮想化技術は、一つの仮想環境の中に必要なものをOSからすべて構築する方式でした。一方コンテナは、OSまでの環境を共用しながら、アプリケーションが使用するCPU・メモリ・ファイル・プロセス空間などは別々にまとまった「コンテナ」として管理します。CI/CDではビルド・テスト・デプロイを頻繁に繰り返すため、起動や処理の早いコンテナ技術が役立ちます。

クラウド

DevOpsはクラウドサービスの普及に伴い、ニーズに対応した手法の一つとして登場しました。クラウドサービスとは、インターネットを経由してコンピュータ資源をサービスとして提供するものです。クラウド環境では、従来は時間のかかっていた処理の自動化や効率化が可能となるほか、統合コンソールから各設定や管理・運用ができるようになり、開発担当と運用担当が連携して共通の目的を達成する体制が作りやすくなりました。DevOpsにはオンプレミス環境よりもクラウド環境が適しているといえるでしょう。

Infrastructure as Code(IaC)

Infrastructure as Code(IaC)とは、サーバーやネットワークなどのインフラ構成をコード化し、それを実行することで構築や管理を自動化する手法です。IaCによって作業の効率化や人的ミスの防止が期待できます。インフラをコード化することで、ソフトウェアの開発ライフサイクルの早い段階から開発担当と運用担当の関係が密接になる点もメリットです。また、一度コードを作成しておけば別の環境でも再現が可能となるため、効率化が求められるDevOpsには最適でしょう。さらに、DevOpsに必須といえるGitなどのバージョン管理システムやCI/CDとも非常に相性がよい手法です。

4.DevOpsのメリット

DevOpsを取り入れることで、開発プロセス全体にさまざまなメリットがあります。具体的なメリットは以下の4つが挙げられます。

  • 「人的ミスの防止」
  • 「業務生産性向上を実現できる」
  • 「高品質でスピーディーな開発が可能」
  • 「ランニングコスト削減が可能」

それぞれの内容について、下記にて詳しく説明します。

人的ミスの防止

DevOpsのメリットとして、人的ミスを防止できることが挙げられます。

アジャイル開発を取り入れ、連携ツールなどを使い作業を自動化・省力化することで人的ミスを防げます。連携ツールには、工数や進捗を管理するプロジェクト管理ツールや、計画書や設計書を管理するドキュメント管理ツール、さらにはビルド・テストの自動化ツールなどもあります。

業務生産性向上を実現

メリットの2つ目は、生産性の向上が期待できることです。

DevOpsはサービスをリリースするまでの期間が短く、ユーザーからのフィードバックを早期に得て、バグや仕様のミスを改善・修正できます。開発担当と運用担当の密接な連携で効率的な情報をやり取りすることで、無駄な作業を削減できます。

高品質でスピーディーな開発が可能

メリットの3つ目は、高いクオリティでハイスピードな開発が可能である点です。DevOpsは開発担当と運用担当が相互に協力し合い、迅速かつ柔軟にシステム開発を行います。自動化ツールや連携ツールなど用いながら開発・テスト・運用を繰り返し、運用担当のフィードバックを反映していくことで高いクオリティかつハイスピードな開発が可能です。チームが信頼し合いゴールを共有できているため、サービス変更などが入ってもスムーズに作業を進められます。

ランニングコスト削減が可能

DevOpsは、開発担当と運用担当が密に連携しているため、課題の早期発見がしやすい環境です。修正や改善が遅くなるほど他への影響範囲も広くなるため、早期に対応できればコスト削減につながります。また、自動化ツールや連携ツールなどを用いることで外部への委託も可能。社内での対応はミニマムに抑えられるので、ランニングコストの削減につながります。

5. DevOpsとアジャイル開発の類似点と違いとは

DevOpsとアジャイル開発は両者ともに、継続的かつ効率的に迅速に開発サイクルを繰り返すなど共通点が多いことからよく混同されます。しかし、アプローチに決定的な違いがあるので留意しておきましょう。

DevOpsは先に述べたように、開発・運用をスムーズかつスピーディーにするための協力体制のことをいいます。密に連携・協力し合うことで、早期のフィードバックや反映が可能になるため効率的に作業を進められます。

一方で、アジャイル開発は近年積極的に採用されている手法のひとつです。アジャイル(Agile)は英語で「機敏な・すばやい」という意味があります。アジャイル開発は、実装、テスト、運用それぞれを小さな単位で作業することで、システム全体の開発に費やす時間を短縮化することが可能な開発手法です。

従来は、要件定義からシステムのリリースまで一貫したプロジェクトとして推進する「ウォーターフォール」という手法が多く採用されていました。しかし、頻繁な機能追加や継続的なアップデートが必要な近年のシステム・サービスへの対応には非効率とされています。そこで登場した開発手法が「アジャイル開発」です。

ウォーターフォールに取って代わるものがアジャイル開発ですが、アジャイル開発とDevOpsは相反するものではありません。アジャイル開発では、短期間でアップデートを繰り返し行うため、開発担当と運用担当の協力は欠かせません。つまり、DevOpsの考え方が有効的です。どちらか一方の手法に固執するのではなく、アジャイル開発とDevOpsの併用で目的実現の可能性がより高まるでしょう。

6. DevOpsの導入方法

では、実際に組織へDevOpsを導入するには何をしたらよいのでしょうか。ここでは、DevOpsのプロセスや実現するための主なツールを紹介します。

DevOpsのプロセス

DevOpsは一時的に取り組みを実施して完了ではなく、開発チームと運用チームが連携しながら継続的に業務を進めます。継続的な改善を続けながらシステムの利用価値の向上を目指すため、基本的にはPDCAサイクルを活用したプロセスが一般的です。具体的なプロセスについて解説します。

計画

開発するシステムに求められる機能を定義し、開発のタスクや進捗管理の方法について計画を立てます。主にアジャイル開発の手法を活用し、できるだけ管理しやすい小さなタスクに分けることがポイントです。

開発

計画をもとにコードの記述などを行い、システムの開発を進めます。

継続的インテグレーション/継続的デリバリー(CI/CD)

開発したコードのビルドとテストを継続的かつ自動的に実行します。具体的には1日に数回、エンジニアが自分で行ったコード変更をマージし、自動化されたビルドとテストを行います。コードの不具合を発見した場合は即座に修正します。従来はエンジニアが長期間にわたり単独で作業を行い、頻繁にマージすることなくテストを完了していました。そのため不具合の発見が遅れ、トータルの開発作業に時間を要するケースが多かったのです。継続的インテグレーションを採用することで、不具合を早期に発見して対処できるようになり、プログラムの品質を高めながら開発時間を短縮できます。

ビルドとテストを実行した後は、テスト環境またはステージング環境にデプロイして、システムテストやUIテストを行います。

リリース

開発工程が完了したら、システムが本番の運用環境で対象のユーザーが使えるように設定を行います。継続的デリバリーは実稼働環境へのリリース準備までを実行するため、開発者は最後のステップとして運用環境へのデプロイを承認する必要があります。この点が、運用環境へのデプロイが明示的な承認なしで自動的に行われる「継続的デプロイメント」とは異なります。

運用

システムのリリース後は、システムを構成するインフラやアプリケーションなどを監視し、トラブルが発生した場合には迅速に対応します。定期的なメンテナンスは必要です。

継続的フィードバック

DevOpsはシステムをリリースしたら完了ではなく、継続的に改善を続ける取り組みです。そのため、リリース後はモニタリングデータやユーザーからの評価・要望などのフィードバックをもとに、改善点を見つけ出します。そして再度計画からプロセスを回し、継続的に改善を行います。

DevOpsを実現するツール

前章のDevOpsのプロセスを実現するには、適切なツールの活用が欠かせません。DevOpsの導入を効率的に進めるツールについて紹介します。

仮想化・コンテナ化ツール

システムの実行環境の仮想化・コンテナ化を行うツールです。システムの開発工程で使用され、実行環境それぞれでビルド・テストを行うアジャイル開発では必須とされています。仮想化ツールとしてはOpenStackやVagrant、コンテナ化ツールとしてはDockerが代表的です。またコンテナの運用管理や自動化を行うツールとしては、Kubernetesがデファクトスタンダードとされています。

構成管理ツール

サーバーやネットワークなどのインフラ構成やソフトウェア構成などの管理・構築の自動化を行うツールです。開発工程から運用工程にかけて使用します。複数の機器設定に変更が必要な場合でもまとめて制御ができるため、人的ミスの防止や工数の削減につながります。代表的なものにAnsible・Chef・Puppetがあります。

バージョン管理ツール

データの作成者や変更者・日時・変更内容の差分などを管理するツールです。保管したデータをもとに過去の状態に復元することも可能で、開発工程で使用します。アジャイル開発では変更やバージョンアップが頻繁に行われるため、管理が煩雑になりがちです。チーム作業ではより複雑になるため、バージョン管理ツールの使用は必須でしょう。代表的なものはGitやMercurialなどです。

CI/CDツール

開発工程のビルドからテストの実行や結果レポートの作成・デプロイといった継続的インテグレーション/継続的デリバリーを自動化・管理するツールです。作業の効率化に加えて、テストの結果やエラーの発生状況をスムーズに把握できるメリットがあります。またツールによっては、バグにつながるコードのチェックなど、静的解析も可能です。代表的なものはJenkins・CircleClなどです。

監視ツール

運用工程で使用する、サーバーやネットワークなどのインフラやアプリケーションのパフォーマンスを監視するツールです。問題が発生した場合は、速やかにユーザーに通知します。また、継続的に監視を行って問題の原因を根本から突き止め、ユーザーに警告することで、システム停止のリスクを最小限に抑えられます。代表的なものはNagios・Zabbixなどです。

タスク管理ツール

DevOpsではタスクを細かく分けるため、その管理をしやすくするためのツールです。計画工程から運用工程まで継続的に使用します。チームで共有でき、プロジェクト管理・スケジュール管理・情報共有にも利用されます。代表的なものはBacklog・Redmineなどです。

コミュニケーションツール

DevOpsは開発チームと運用チームが密に連携しながら業務を進める必要があるため、全行程にわたって共通のコミュニケーションツールを使用します。代表的なものはSlack・Chatworkなどです。

7. DevOpsの注意点

DevOpsを導入し活用するうえで、注意すべきポイントについて解説します。

セキュリティ対策の自動化

頻繁な改修を予定しない従来のソフトウェア開発では、リリース前のテスト時にセキュリティテストを実施することが一般的でした。一方DevOpsでは、高頻度で改修・リリースを繰り返すため、リリース時に毎回セキュリティテストを実施していては工数がかかりすぎてしまいます。そこで取り入れたいのが、セキュリティテストの自動化です。自動化されたプロセスの中にセキュリティテストを組み込むことで、手間を削減しつつ迅速な開発が可能となります。DevOpsの考え方にセキュリティの要素も含むDevSecOpsは、まさにこのような取り組みです。

関係者とのコミュニケーション

DevOpsは技術的な側面を理解し、ツールを使いこなすだけでは実現しません。組織としてDevOpsを導入する最終的な目的は、ビジネス価値を高めることです。そのためには開発担当と運用担当だけではなく、システムのユーザーやマネジメント層などのステークホルダーにDevOpsの有効性を理解してもらう必要があります。情報を共有するプラットフォームなどを利用してコミュニケーションをとり、組織が団結するよう働きかけることも重要です。

8.まとめ

現代のビジネスにおいてITは欠かせないものとなりました。頻繁な機能追加や継続的なアップデートが必要なシステムやサービスには、迅速かつ効率的な対応が求められます。開発担当と運用担当それぞれの業務範囲の目的達成だけではなく、ユーザーのシステム利用価値の最大化を意識したDevOpsの考え方は、現代さらには未来のビジネスにおいて必要不可欠なものとなるでしょう。

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