文書の保存が必要な期間とその理由とは?

 2021.12.20  2022.08.30

会社で取り扱っている文書類の保存期間は法律で定められています。うっかり書類を廃棄してしまうと罰則が適用されることもあるので注意しましょう。本記事では文書に保存期間がある理由やそれぞれの文書の保存期間、決められた期間を保存せず、文書を処分した場合のペナルティについて解説します。

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文書には保存期間がある

業界や業種によらず、会社では取引や決算など数多くの文書を取り扱っています。文書のライフサイクルは作成後の活用、保管、保存、破棄と進みます。このうち保管は業務でよく使用するもの、すぐに確認が必要なものが対象です。キャビネットやデスクの引き出しなど必要に応じて取り出せる場所に置きます。一方、保存は頻繁に使用することはなく、1年以上保存しなければならないものが対象です。会社の倉庫などを保存場所に利用します。

文書の保存は年々増えていくため、すでに決済した取引や過去の決算書などは処分したいと思いがちです。しかし、会社で取り扱っている文書は種類に応じた保存期間の決まりがあります。もし、提出を請求されれば、速やかに対応できるように適切な管理も必要です。そのことを知らずに勝手に過去の文書を廃棄してしまうと過料などの罰則が科せられ、企業としての信用にも関わります。

なぜ保存しなければいけないのか

会社で取り扱っている多くの文書は、会社法や法人税法、金融商品取引法などの法律によって保存期間が決まっています。特に経理業務で使用する書類は身近な領収書や振込通知書、請求書、見積書なども対象になります。経理業務で取り扱う書類は大きく分けると証憑書類と帳票書類の2つです。取引の内容を記録し、正確な真実であることを証明する証憑書類は、納品書や発注書、請求書、商品受領書、領収書などが該当します。単に口約束ではなく、取引の当事者同士で合意し、決定した証拠となる文書です。

会社や店舗間で行った取引を記録した帳票書類は、仕訳帳や現金出納帳などの帳簿と、入出金伝票などの伝票があります。経理業務で取り扱う書類は税法上で保存期間が定められていますが、書類によって期間は変わることに注意が必要です。また、法律で定められていなくても、業種特有の都合や書類の特性上、保存が必要な場合があります。社内規定や総務部内のルールを確認しておきましょう。

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令和3年度 電子帳簿保存法改正による  電子取引への対応

文書の保存期間年数別一覧(2021年12月時点)

保存期間は文書の種類で異なり、期間の始めとなる起算日は法律ごとに違います。起算日とは事業年度終了日の翌日から2ヶ月後のことです。会社は保存期間を定めた法律に沿って、文書を適切に管理し、提出が必要な場合は速やかに対応しなければなりません。さらに保存期間を超過した文書は会社で前もって定めたルールに従って適切に処理し、文書のライフサイクル管理をする必要があります。会社の文書管理に必要なガイドラインとして、保存期間ごとに分類し、文書の種類をご紹介します。

永久保存する文書

総務・庶務

  • 定款
  • 登記、訴訟に関する書類
  • 株主名簿、社債原簿
  • 行政庁からの許可書、通達
  • 会計監査書類
  • 社報、社内報、重要刊行物
  • 知的所有権関係書類
  • 重要統計文書
  • 社内規則、関連文書
  • 儀式や祭典関連文書
  • 重要な権利や財産関連書類
  • 効力が持続する契約関連書類
  • 特許など製品開発・設計関連書類
  • 関連会社関連文書
  • 外部団体加入、脱退関連書類

人事・労務

  • 労務、人事、給与、社会保険関係書類
  • 労働協約関係文書
  • 人事関連文書
  • 表彰、懲戒関連書類

経理・税務

  • 株式増資関連書類
  • 予算関連書類
  • 決算関連書類
  • 固定資産関連書類

30年保存する文書

人事・労務

  • 労働者の作業記録
  • 労働者の健康診断個人票
  • 焼却施設などの作業記録
  • 放射線業務従事者
  • 特定化学物質健康個人票

10年保存する文書

総務・庶務

  • 株主総会、取締役会、監査役会、委員会議事録
  • 重要会議事録
  • 満期、解約の契約書
  • 製品取引記録
  • 福利厚生関連文書
  • 損害保険の重要文書
  • 経営管理の重要な文書
  • 社内通達関連文書

経理

  • 計算書類、明細書
  • 会計帳簿、事業関係書類
  • 財務関係書類
  • 月次、年次決算書類

7年保存する文書

経理

  • 仕訳帳、現金出納帳など取引関連帳簿
  • 決算関連書類
  • 領収書、預金通帳など取引証憑書類
  • 有価証券取引の証憑書類
  • 請求書、契約書など取引証憑書類
  • 電磁取引関連の電磁的記録
  • 扶養控除、配偶者特別控除、保険料控除申告書
  • 住宅借入金等特別控除申告書
  • 税額控除関連帳簿、請求書
  • 資産譲渡、課税仕入れなどの取引関連帳簿
  • 源泉徴収簿

5年保存する文書

経理

  • 監査報告、会計監査報告
  • 会計参与の計算書類、明細書、報告
  • 非課税貯蓄申込書や申告書、コピー、退職などの関連通知書
  • 監査報告書
  • 退職などに関する通知書
  • 海外転勤者の財政形成非課税住宅貯蓄継続用申告書など

人事・労務

  • 社員の身元保証書、契約書など
  • 雇用保険の被保険者関連書類、届出事務などの処理簿

総務・庶務

  • 事業報告
  • 有価証券届出書、報告書、添付書類
  • 期限付きの覚書、念書、協定書
  • 重要事項関係書類
  • 診療録、産業廃棄物管理票

3年保存する文書

人事・労務

  • 労働者名簿、賃金台帳
  • 雇用、解雇、退職関連書類
  • 災害補償関連書類
  • タイムカードや残業報告書など
  • 労災保険、労働保険関連書類

総務・庶務

  • 四半期、半期報告書、訂正報告書のコピー
  • 官公書関連の認可や出願書類
  • 業務日報、社内会議録、契約書など後日確認する書類
  • 消耗品や購入品関連の書類
  • 統計書類、業務日報
  • 企画、広告、宣伝、マーケティングなどの関連書類
  • 外部団体への寄付や賛助関連書類

1~2年保存する文書

人事・労務

  • 雇用保険関連書類
  • 健康保険、厚生年金保険関連書類
  • 氏名、住所変更届
  • 出勤簿、欠勤願、休暇届、休暇状況記録表

総務・庶務

  • 株主総会委任状
  • 臨時報告書、事故株券買付状況報告書、訂正報告書のコピー
  • 来客記録
  • 日誌、送受信文書、通知・調査書類
  • イベント出品商品申請書

自社で保存期間を定める文書

会社法や法人税法などの法律で保存を定めていない文書の場合、自社内で部門ごとにルールを決めて管理する必要があります。自社ルールを決める場合は社内で統一した方がいいでしょう。保存期間の目安は業務を進めるため、または訴訟などで立証するための必要性、社歴の上での重要性などを勘案します。会社の破産や解散があっても、書類の保存義務は変わりません。破産した場合は重要財産開示義務があり、書類を提出しないと処罰されるおそれがあります。退職者の手続き書類は保存期間を終えたら、なるべく早く破棄した方がよいでしょう。

保存する文書が多い時は電子データで保存

社内文書は種類が多く、それぞれの法定期間に合わせて保存しなければなりません。年々紙文書は増え続け、保管場所の確保もひと苦労です。書類の量が多く保管に困るなら、電子データの保存が可能です。電子化できる書類の種類が決まっており、事前に承認を得る必要はありますが、保管場所の削減と負担軽減になります。会社の文書を電子保管するための「e-文書法」や「電子帳簿保存法」の要件を満たせば、電子保存が可能です。ここ数年は各種文書を電子化し、運用・保存できる管理システムを活用する企業も増えています。システム上で各種文書の一元管理ができるので、検索性も高まります。

保存期間内に文書を破棄してしまうと?

保存期間を終了せずに文書を廃棄してしまうと該当する法律によって罰則を受けます。例えば税法で定めた保存書類の場合、青色申告の取り消しや、追徴課税、推計課税、仕入の消費税額控除分の増額です。これらの罰則は電子帳簿保存法でも適用されます。さらに会社法上の罰則では100万円以下の過料が科せられるケースもあります。

まとめ

会社で取り扱う文書は各種法律によって永久保存、30年、10年、7年、5年などと保存期間が定められています。法律の決まりがない文書も社内で統一したルールを定めて適切に管理することが必要です。法律上の保存期間を守らないと過料などの罰則もあります。保存文書が多い場合は電子データ保存や文書管理システムを利用すれば、保存スペースや負担の削減ができます。デジタルビジネスシェルパではこのような企業の業務改革や、事業改革を推進するデジタルトランスフォーメーションを支援しています。

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