VDIのセキュリティは安全なのか?有効な理由と対策を紹介

 2021.12.17  2022.08.09

働き方改革の推進や新型コロナウイルスの影響から、リモートワーク制度を導入する企業が増加しています。そんなリモートワーク制度を整備する上で重要となるのが仮想デスクトップ環境を構築する「VDI」です。本記事では、VDIの概要やセキュリティについて詳しく解説します。リモートワーク環境を構築する際の参考にしてください。

New call-to-action

VDI(仮想デスクトップ)の定義と概念

VDIとは「Virtual Desktop Infrastructure」の頭文字をとった略称で、サーバー側に仮想デスクトップ環境を構築し、クライアント端末からアクセスする仕組みを指します。広義では仮想デスクトップ環境そのものを指し、狭義ではデスクトップ仮想化を実装する技術・方式を意味する概念です。

VDI方式の仮想環境では、エンドユーザーのクライアント端末には必要最小限の機能のみを搭載し、ネットワークを経由してサーバー上の仮想デスクトップ環境にアクセスし、OSやアプリケーションを利用します。アクセス権限さえあれば時間や場所を問わず、さまざまなデバイスから同じデスクトップ環境で作業が可能なため、リモートワーク制度を確立する上で欠かせない技術といえます。

CAD-VDI導入までの流れとよくあるお悩み&解決方法(構想策定と検証編)
CAD-VDI導入までの流れとよくあるお悩み&解決方法(導入前編)

VDIとシンクライアントの実現

先述したように、VDI方式の仮想環境はOSやアプリケーションがサーバー側にあるため、クライアント端末に個別のOSやアプリケーションを搭載する必要がありません。このような仕組みを「シンクライアント」と呼びます。従来、PCを業務用端末として使用している場合、OSやアプリケーションを各デバイスに搭載し、個別に管理しなくてはなりません。クライアント端末にソフトウェアを搭載する必要のないシンクライアント環境であれば、デバイス1台あたりのコストを大幅に削減できます。

VDIが高いセキュリティ対策になる理由

VDIはシンクライアントを構築する技術のひとつであり、さまざまなメリットを組織にもたらします。なかでも特筆すべきメリットとして挙げられるのが、セキュリティ体制の強化につながる点です。VDI方式の仮想環境では、すべてのファイルやデータはサーバー側で管理されるため、基本的にクライアント端末には業務データは保管されない仕組みとなっています。

この仕組みによるメリットを最大限に享受できるのがリモートワーク環境です。リモートワークは新しい時代に即した働き方として注目を集めているワークスタイルですが、クライアント端末をオフィス外に持ち運ぶため、デバイスの紛失や盗難などのリスクが懸念されます。そして、デバイスの紛失・盗難は情報漏洩インシデントを引き起こす原因となり、社会的信用の失墜や業務停止などの損害を招きかねません。

コンピュータセキュリティサービス企業「McAfee」の調査によると、情報漏洩インシデントの発生原因ワースト5は上から順番に「管理ミス」「誤操作」「不正アクセス」「紛失・置き忘れ」「不正な情報持ち出し」となっており、サイバー攻撃のような外部の脅威より、内部の人為的過誤による情報流出が多数を占めています。クライアント端末に一切の業務データを残さないVDI環境であれば、リモートワーク時のセキュリティ体制を最適化できます。

参照:情報漏えいインシデントの発生原因ワースト10とそれを克服する最適な対策|McAfee

VDIの脆弱性と弱み

リモートワーク環境のセキュリティ強化に寄与するVDIですが、メリットばかりではありません。VDIの脆弱性やデメリットとして挙げられるのが以下の3点です。

  • データ移行時の情報漏洩
  • データの消し忘れやパスワード設定のミス
  • ネット接続時の情報漏洩やマルウェア感染の危険性

データ移行時の情報漏洩

VDI方式の仮想環境では、ファイルやデータがサーバー側で管理されており、クライアント端末には業務データが残りません。しかし、クライアント端末のファイルやデータをサーバー側に移行することはできるため、マルウェアが持ち込まれてしまう可能性があります。ファイルのアップロードやダウンロード、USBメモリやクリップボードでの情報共有など、データ移行時におけるセキュリティリスクをどのように抑えるかが課題といえるでしょう。

データの消し忘れやパスワード設定のミス

VDI方式でシンクライアント環境を構築している場合でも、汎用OSを利用しているデバイスで、なおかつメモ帳のようなローカルアプリケーションで業務を行うとデータが残存する可能性があります。また、パスワード設定のミスや流失によって、アカウントの乗っ取りや不正アクセスなどの被害に遭うリスクも否定できません。そのため、ハードディスクの暗号化やデバイスのリフレッシュ機能といった対策を実施する必要があります。

ネット接続時の情報漏洩やマルウェア感染の危険性

VDIはリモートワーク環境のセキュリティ強化に貢献するシステムではありますが、年々高度化かつ多角化する不正アクセスやマルウェアによる被害を完全に防止するのは不可能といえます。また、ファイルサーバーに直接アクセスできる人間による、不正な情報流出を防ぐのも非常に困難といえるでしょう。このようなリスクを考慮し、VPNでのインターネット接続を検討したり、多要素認証を導入したりといった対策が必要です。

VDIに必要なセキュリティ対策

働き方改革関連法の施行やリモートワーク制度の普及とともに、VDIを導入する企業が増加傾向にあります。VDIはクライアント端末にOSやアプリケーションを搭載する必要がなく、データがローカル環境に保存されないため、リモートワークの最適化に寄与するソリューションです。しかし、先述したような脆弱性やデメリットもあるため、強固なセキュリティ体制を構築するためには、以下のようなセキュリティ対策が求められます。

VPNでのインターネット接続を検討する

VPNは「Virtual Private Network」の頭文字をとった略称で、インターネット上に仮想の専用回線を整備し、社外のデバイスをネットワークに接続させるための技術です。VPNを利用する社外のデバイスは、社内ネットワークに設置されたリモートアクセスサーバ(RAS)に接続され、通信の暗号化やトンネル接続といった技術によって安全な通信を担保します。

多要素認証を採用してセキュリティリスクを減らす

多要素認証とは、システムにログインする際、2つ以上の異なる要素によってユーザーの真正性を認証する技術です。言語や数字などの知識に基づく「知識要素」、デバイスを利用する「所持要素」や、指紋や虹彩といった「生体要素」など、複数のファクターを用いて本人認証を実行します。多要素認証を用いることで全社的なセキュリティ体制の強化につながると同時に、万が一パスワードが流出しても情報漏洩インシデントを防げる確率が高まります。

リスクを最小限に抑えるため情報漏洩防止の意識を高める

組織全体におけるセキュリティ体制を強化するためには、データやパスワードの運用管理におけるガバナンスとコンプライアンスの整備が不可欠です。どれだけ優れたセキュリティソリューションを導入しても、情報管理の仕組みや危機意識が徹底されていなければ意味を成しません。セキュリティポリシーの策定やアクセス権限の設定、職務分掌規定の明確化など、組織内のセキュリティ体制を常にアップデートし、全社的に共有する仕組みを構築することが大切です。

まとめ

働き方改革や新型コロナウイルス感染症など、さまざまな社会的背景の影響も相まって、企業では労働環境の抜本的な改革が求められています。その施策のひとつとしてリモートワーク制度を導入する企業が増加傾向にあり、仮想デスクトップ環境を構築するVDIの需要が高まりつつあります。VDIはクライアント端末にOSやアプリケーションを搭載する必要がなく、データがローカル環境に保存されないため、リモートワーク環境のセキュリティ強化に寄与するソリューションです。新しい時代に即したリモートワーク環境を構築するためにも、VDIの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

CTA

RECENT POST「WORK SHIFT」の最新記事


WORK SHIFT

【C&R社寄稿】教育用VRコンテンツとは? メリットや導入時のポイントを解説

WORK SHIFT

企業における適切なパスワード管理とは?現状や重要性、必要な機能を解説

WORK SHIFT

スマートオフィスとは? メリット・デメリットと実現方法を徹底解説

WORK SHIFT

次世代に必要とされるフィールドサービスとは?現在の課題やデジタル化のポイントを解説!

VDIのセキュリティは安全なのか?有効な理由と対策を紹介
CTA

RECENT POST 最新記事

CTA

RANKING人気記事ランキング


OFFICIAL SUPPORTER