DX化が進む中、膨大なデータを一元管理できるプラットフォームであるSnowflakeや、情報の分析・活用に役立つTableauが注目を集めています。これらのツールは、それぞれを利用するだけでなく連携させることでより効果的に使うことができます。本記事では、各ツールの特徴や連携でできることなどを詳しく解説します。
Snowflake (スノーフレイク)とは?
Snowflake(スノーフレイク)は、シリコンバレーに本社を構え、日本を含む世界26カ国44拠点(2024年2月時点)に展開するSnowflake社が提供するSaaS型データプラットフォームです。
企業におけるビッグデータ活用は、規模に関係なく全てのデータをそのままの形で保存する「データレイク」、複数のデータを集約して整理する「データウェアハウス」、蓄積されたデータから必要なものを抽出して格納する「データマート」の三つのシステム領域で構成されるケースが一般的です。Snowflakeは、これら全てをカバーします。
また、マルチクラウドプラットフォームに対応しているため、実績があり信用性の高いクラウドサービスからプラットフォームを自由に選ぶことが可能です。加えて、既存のクラウド環境との連携がスムーズになる点もメリットといえます。
さらに、Snowflakeはクラウドの特徴を活かして構築されていることから、地域をまたいだデータ連携が可能な点もポイントです。万が一使用中のクラウドシステムでトラブルが発生しても、環境を切り替えることで業務を継続できます。さらに、Snowflakeでは、データの格納場所とデータ処理を別にすることで、無限のスケーラビリティを実現しています。
Snowflakeについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:Snowflakeとは何がすごい?クラウドベース向けに構築された特長をわかりやすく解説
Tableau (タブロー)とは?
Tableau(タブロー)は、サンフランシスコに本社を構えるSalesforce社製のBIツールです。BIツールとは、企業が保有する多様なデータを可視化・分析して経営や業務効率化に活用するソフトウェアを指します。
いくら膨大なデータを保有していたとしても、蓄積・管理するだけでは意味がありません。細かい分析を行うことで有効に活用でき、次の実績に反映させられます。BIツールがあれば、データ分析に特化した専門家に依頼しなくても、自社でのレポート作成から分析までの実行が可能です。
Tableauは、BIツールの中でも操作性が高く使いやすいことから、すでに多くの実績を持っています。また、様々なデータソースと接続できる点も特徴です。今回ご紹介するSnowflakeも接続先のひとつです。
Tableauは2019年からSalesforce社の傘下となりました。これを機にますます進化を遂げ、より使い勝手の良い分析プラットフォームとして世界中の企業に選ばれています。
SnowflakeとTableauの連携でできること
SnowflakeとTableauは、連携によってさらに便利になります。ここでは、SnowflakeとTableauの連携でできることを4つ解説します。
データを可視化できる
Tableauの導入により、一般的なBIツールと同じくSnowflakeのデータをチャートやグラフなどで視覚的に表現することができます。また、多数のチャートが用意されているほか、分析する情報に合わせて選べる点も特徴です。
データを正しく分析するには専門的な知識が必要ですが、Tableauにより誰でも容易にデータ分析を行えます。また、Snowflakeと連携することで集約された様々なデータを横断的に分析することも容易になります。
Snowflake単体でも簡易的なチャート表示が可能であり、ダッシュボード機能やカスタムWebアプリ機能が備わっていますが、中心となるのはデータ格納機能です。そのため、可視化に優れたTableauを活用するとより視覚的なデータ活用が進みます。このように目的に見合った専門的なツール取り入れることで、データ活用の生産性向上につながる点も連携を図るメリットです。
柔軟なデータ分析を行える
Snowflakeに保管したデータを、様々な指標で可視化しダッシュボードにまとめられる点も魅力です。単独の指標では分析が難しい事象も、複数の指標をダッシュボード上で比較することで、必要な情報を読み取りやすくなります。
さらに、Tableauではダッシュボード上の操作も可能です。例えば、エリアごとの売上を分析する場合、フィルタリング機能を使うと地域名をクリックするだけでより細かいエリアの売上が表示されます。また、特定の項目をピックアップするハイライト機能や、クリック操作でより詳細なデータが表示されるドリルダウン機能などもあり、プレゼンテーションをする際も視覚効果を取り入れながら説明できます。
ダッシュボードの分析結果は自動で更新される
Tableauのダッシュボードには自動更新機能も備わっています。また、Snowflakeとの連携により、オンライン上に蓄積されたデータを活用することで、その都度手動でグラフを更新する必要がありません。
あらかじめ設定したフォーマットに沿って自動的に更新されるため、売上や自社サイトのコンバージョン率のチェックなど、コンスタントに観測が必要なデータ分析に活用できます。
従来のExcelを活用したデータ管理では、更新の度に入力をする必要がありました。リアルタイムで更新することは困難であり、情報の鮮度という角度で見てもSnowflakeとTableauの連携により、新鮮なデータを可視化できる点は魅力といえます。
可視化した情報を素早く共有できる
可視化されたデータを効率的に活用するには、速やかに必要な部署や社員に共有する必要があります。Tableauでは、グラフやチャートなどのデータは、そのままオンライン上で共有可能です。 さらに、Snowflakeとの連携により新鮮なデータによる気づきをスピーディーにシェアできます。
また、権限付与を設定すると許可されたユーザー以外はデータを閲覧できません。オンライン上での共有はセキュリティ面が気になりますが、Tableauであれば安心して利用できます。そのほか、複数のユーザーに共有し、同時に作業できる点もメリットです。
【3ステップ】TableauとSnowflakeの接続方法
TableauとSnowflakeは以下の3ステップで接続可能です。それぞれのステップについて、順を追って解説します。
1. 接続情報を収集する
はじめにTableauの接続先であるSnowflakeの情報を収集する必要があります。接続に必要な情報は以下の二つです。
- 接続サーバー名
- 認証方法
認証方法はSnowflake側の認証設定に合わせて適切なものを選択します。フェデレーション認証するよう構成されている場合は、「OAuth」を使用します。Snowflakeのユーザー認証情報でログインする場合は、「ユーザー名・パスワード」を使用します。IDプロバイダがOktaで接続にIDP認証資格情報埋め込む場合に「Okta ユーザー名とパスワード」が利用できます。
2. ODBCドライバーをダウンロードする
必要な情報を収集したら、Snowflake社のWebサイトからODBCドライバーをダウンロードします。
ODBCとは「Open Database Connectivity」の略称で、アプリケーションシステムとデータベース管理システムを連携しやり取りを行うためのAPI(Application Programming Interface)です。ODBCを使うことで、異なるデータベース間におけるデータアクセスが標準化され、データの取得や更新をスムーズに行えるようになります。
TableauとSnowflakeの接続に必要なODBCドライバーは「Snowflake ODBC driver」であり、Snowflakeの操作画面から簡単にダウンロード可能です。操作画面を開き、以下の流れでダウンロードしてください。
「ヘルプ」→「ダウンロード」→「ODBCドライバー」→「Snowflakeリポジトリ」
ダウンロードをしたのち、インストールをすると接続準備は完了です。
3. Tableauを起動し「Snowflake」を選択する
ODBCドライバーのインストールが完了したら、Tableauから接続作業を行います。作業の手順は以下のとおりです。
- ODBCドライバーのダウンロード・インストールが完了したことを確認して、Tableauを起動
- 「接続」→「Snowflake」を選択
- 準備した「接続サーバー名」と「認証方法」を選択し、サインイン完了
まとめ
企業のDX化が求められる現代において、膨大なデータの集約や分析は大切な作業です。しかし、従来のやり方では蓄積したデータが分散し、効率良く活用することができません。こうした課題を解決するのに役立つのがSnowflakeとTableauの連携です。
Snowflakeの活用によりデータを一元管理できるため、従来のExcelを使った管理や、各所にデータが散らばりサイロ化している状態と比べると効率化が図れます。Tableauではグラフなどでデータを可視化することが可能です。容易に作業できるため専門知識は必要ありません。
SnowflakeとTableauを連携させると、簡単に鮮度の高いデータにアクセスできるようになります。いずれか片方だけを導入するよりも、経営や業務効率が上がって生産性向上も期待できるでしょう。
DX推進に伴うデータ管理・活用にお悩みの方は、この機会にSnowflakeとTableauの導入、連携を検討してみてはいかがでしょうか。
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