データドリブン・マーケティングとは?

 2023.09.22  2024.01.17

【連載】ブログデータドリブン・マーケティングとは?

デジタルマーケティングソリューション

データドリブン・マーケティングとは?

データドリブン・マーケティング(Data-Driven Marketing)とは、マーケティングの戦略・計画や施策の決定・実行、改善など一連の取り組みをデータに基づいて実行するアプローチです。市場データ、顧客属性データ、Web解析データ、ソーシャルメディアデータ、購買履歴、POSデータ、営業やコールセンターでのコンタクトデータなどを収集・解析し活用します。

従来からマーケティングではなんらかのデータが利用されていますが、一方では以下のような調査結果もあり、デジタル化の進展に伴い利用できるデータの増加と相まって、取り組みを強化すべきテーマであると言えます。

  • 88%の企業は、マーケティング成果向上に、データマジメントは重要と感じている。
  • 50%の企業は、データマネジメントの取り組みが十分で無いと感じている。
  • 23.5%の企業しか多くのデータを統合し活用できる環境が整備出来ていない。

出典:アンダーワークス株式会社 「マーケティングデータ活用実態調査 2023年度版」

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なぜデータドリブン・マーケティングに取り組むべきか?

マーケティングにおいてデータドリブンなアプローチが必要となったのには次の背景があります。

  • 価値観の多様化・購買行動のデジタル化
    物質的な欲求が満たされ、機能的な価値や低価格に消費者が反応しにくくなりました。また、インターネット上で発信される様々な価値観やライフスタイルの情報に触れることで消費に期待することも多様化し、従来のマスをターゲットとした画一的なアプローチでは効果が出ず、多様化した顧客を理解し画一的ではないアプローチをとることが必要になっています。
    また認知や情報収集、検討、購入といった購買行動もインターネットを通じて行われる比率が高くなり、デジタル化が進んでいます。

  • マーケティングのデジタル化
    購買行動のデジタル化にあわせマーケティングもデジタル化が進んでいます。Webサイト、SNS、モバイルアプリなどを通じたマーケティングが普及し、これらのデジタルでのマーケティング施策に対する顧客の反応はデータに記録され、そのデータを利用して迅速に改善施策が実行できる環境が整いつつあります。

このようにデータを活用する必要が高まり、活用できるデータが増えている状況において、データドリブンなアプローチはやるか・やらないか検討するテーマではなく、どうすればうまくできるかを検討するテーマであると言えます。

データドリブン・マーケティングによって何が実現できるか?

データドリブンでマーケティングを実行するにあたって、データドリブンによって何を目指すか正しく認識して実行する必要があります。

  • 顧客体験価値(CX)の向上:デジタル上のデータは多様化し変化する顧客をより正しく理解することを可能にします。ターゲットとなる顧客層についての正確な特定と理解にもとづき、デジタルによって実現可能になった多数の顧客に対してパーソナライズされたコンテンツを提供することで、顧客体験価値の向上を目指します。

  • 迅速な改善サイクルの確立:デジタルの世界では実行したマーケティング施策に対する反応や評価を短期間で把握することができます。顧客の多様化によって施策がどこまで効果をあげるかを事前に見極めることが難しくなっていることなどから、施策の実行前にデータを活用することは当然のことであり、データを利用して実行した施策を改善していくことも不可欠となっています。実行・評価・改善を短いサイクルで実行できるようになることを目指します。

  • マーケティングROI(Return On Investment)の最適化: どのチャネルでのどのような施策がどのセグメントに効果があるかなど、データに基づいて施策の選択・評価を可能にし、効果のない施策への支出を抑制し、効果の高い施策に資源を配分することによってROIの最適化を目指します。

このようにデータドリブンは多様化した消費者に対して、マーケティング活動をより効果的なものにするための取り組みとなります。

実現に向けたポイント

  1. 小さな成功体験を作り、データドリブンの必要性や価値を理解する
    データドリブンを始めるためにいきなり大きなITへの投資は不要であり、うまくいかないリスクがあります。マーケティングに限らずデータ活用は、ツールを用意したものの活用が進まないという状態が起きやすい取り組みです。まずは小規模な取り組みでデータを活用することの価値を実感し、データ活用はどのように進めるかのイメージをつかむことが重要です。

  2. データドリブンを業務に落とし込む
    データドリブンはマーケティングの戦略・計画の立案、施策の検討・評価などの色々な局面で適用されます。データを利用し業務を遂行する、改善のためのアクションを実行することを徹底するためにはやったほうが良いこと・できる時はやる/できる人はやるといった曖昧なものではなく、やるべき業務としてそのやり方とともに確立・定着させる必要があります。

  3. データの取得・収集・管理を行う
    データドリブンの実現には当然ですがデータが不可欠です。まずはすでに社内に存在する利用できるデータを明らかにします。取り組みの初期段階では既存の利用できるデータでできることから開始しますが、取り組みの規模を広げ、高度化していく中で保持していないデータが必要となる、現状のデータの管理方法では実現できないといったことが問題になります。
    保持していないデータをいかに取得するか、データを利用可能な状態にするためにどのように管理するかを設計したうえで必要な仕組みを整備する必要があります。

  4. 実行体制の確立
    データドリブンの実行は組織内に十分なノウハウ・人材がないケースが多いことが想定されます。
    データドリブンを実現するには、仮説を立てるためのビジネスの理解、統計・解析などデータを活用する手法、利用するテクノロジーの理解が不可欠です。1人の担当者がすべてをカバーすることは理想的ですが、現実的には困難であるため分担と相互の理解・連携が可能なメンバーによるチームで実行することが現実的な対応となります。

  5. データドリブンを支えるテクノロジーを導入する
    データドリブンの実行には扱うデータの種類や量、用途に適した加工や分析方法の種類、求められるスピードを考えるとテクノロジーを利用することが不可欠です。ただしテクノロジーの導入にあたっては、目的を明確にすることは当然のことですが、確実に活用するために業務や実行体制の整備と足並みを揃えながら進めることも重要です。

まとめ

データドリブンは現代のマーケティングにおいてマーケティングの成果を向上させるために不可欠なアプローチです。一方で、組織内でデータドリブンを確立し、定着させることは容易な取り組みではありません。データドリブン・マーケティングを実現するためには、目的・ゴールを設定する、データの収集・管理・活用の姿を明確にする、実行に必要な体制やテクノロジーの整備など整合性を保ちながら段階的・計画的に進めていくことが求められます。

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