DXの課題は? 課題解決のために企業ができること

 2023.06.12  2023.06.13

近年、国内では「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の実現が重要な経営課題となっています。しかし、その重要性を理解しつつも多くの課題が立ち塞がり、DXの推進が困難となっている企業は少なくありません。本記事ではDXの実現を阻む課題を考察すると共に、課題解決につながる具体的な施策について解説します。

DXの課題は? 課題解決のために企業ができること

デジタル化を推進すべき”23の領域” とは?

DXの定義とは

DXとは「Digital Transformation」の略称で、「デジタル技術の活用による変革」を意味する概念です。本来は人々の生活や社会構造などを含む概念ですが、近年では事業領域における経営改革を意味する用語として浸透しつつあります。デジタル技術の戦略的活用によって経営基盤そのものに変革をもたらし、市場の競争優位性を確立することがDXの本質的な目的です。経済産業省は「デジタルガバナンス・コード2.0」のなかで、DXを以下のように定義しています。

“企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革すると共に、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。”
引用元:デジタルガバナンス・コード2.0(p.1)|経済産業省

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日本におけるDXの現状

「独立行政法人情報処理推進機構(IPA)」の調査によると、2022年度において国内でDXを推進している企業の割合は69.3%です(※1)。米国企業のDX推進率は77.9%となっており、日本はわずかに遅れている傾向にありますが、DXに取り組む国内企業の割合自体は前年度より13.5%増加しています。しかし、同調査のデータでは従業員数の多い企業ほどDXへの取り組みが進んでいるものの、中小企業はDXの推進率が低い傾向にあるのが実情です。また、米国企業の89%が「成果が出ている」と回答しているのに対し、国内企業で成果を実感している企業は58%にとどまっています。

DXの課題は? 課題解決のために企業ができること-01

(※1)参照元:DX白書2023|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)(p9)

DXの課題

国内企業の約7割がDXへの取り組みを推進しているものの、その実現に至っている組織は決して多くありません。そこには様々な社会的背景が関わっており、なかでも以下に挙げる4つの要素がDXの推進を阻む課題となっています。

DXに関わる人材不足

DXの実現を阻む1つ目の課題は人材不足です。「日本企業の経営課題2022」によると、85.9%の企業が「DX推進に関わる人材が不足している」と回答しています(※2)。日本は少子高齢化に伴って生産年齢人口が減少し続けており、様々な分野で人材不足が深刻化しています。DXを実現するためにはIT分野やマネジメントの領域に精通する人材が欠かせません。しかし、少子高齢化と生産年齢人口の減少が進むなかでDX人材を採用するのは容易ではなく、社内で育成を試みるにしても相応のコストと時間が必要です。したがって、いかにしてDX人材を採用・育成する仕組みを構築するかが重要な課題となります。

DXの課題は? 課題解決のために企業ができること-02

(※2)参照元:日本企業の経営課題2022|一般社団法人日本能率協会(JMA)(p34)

DXに対するビジョン・経営戦略が不明瞭

DXの推進を阻害する2つ目の課題はビジョンの明確化と経営戦略の具体化の不十分さです。「日本企業の経営課題2022」によると、67.8%の企業が「DXに対するビジョンや経営戦略、ロードマップが明確に描けていない」と回答しています(※3)。DXとはデジタル技術の活用によって経営体制に抜本的な変革をもたらすことであり、既存の事業形態や組織体制の延長線上にゴールが存在するものではありません。そのため、実現に至るロードマップを描くのが難しく、具体的なビジョンや戦略を打ち出せない企業が多い傾向にあります。DXを実現するためには単にデジタル技術を導入するだけはなく、中長期的な視点に基づくビジョンと経営戦略を立案・策定するプロセスが必要です。

(※3)参照元:日本企業の経営課題2022|一般社団法人日本能率協会(JMA)(p34)

社内のDXに対する理解不足

DXの実現を阻む3つ目の課題はDXに対する理解不足です。日本は「世界のデジタル競争力ランキング2022」で29位となっており、他国と比較してデジタル化が遅れている傾向にあります(※4)。DXの本質的な目的を理解できておらず、一部の業務領域をデジタル化したり、デジタル技術の導入だけで満足したりしてしまう企業も少なくありません。また、人間は未知のものを避ける「現状維持バイアス」という心理作用が備わっており、変革に対して拒否反応を示す経営層や従業員も少なからずいるものです。DXを実現するためには組織全体がその重要性を理解すると共に、経営層と従業員が同じ方向を目指して変革を推進する全社横断的な協力体制を構築しなくてはなりません。

(※4)参照元:World Digital Competitiveness Ranking|国際経営開発研究所(IMD)

具体的な事業への展開が進まない

DXの推進における4つ目の課題は事業計画の具体化です。DXを実現するためにはビジョンを打ち出すだけでなく、その理念や指針を具体的な事業計画に落とし込まなくてはなりません。「日本企業の経営課題2022」では、65.5%の企業がDX推進の課題として「具体的な事業への展開が進まない」ことを挙げています(※5)。その背景には知識不足によって何から始めていいのかわからない、DXに対して現場の強い抵抗がある、既存システムがレガシー化・ブラックボックス化しているといった理由があります。このような課題を打ち破るためには、組織全体がDXへの理解度を深めると共にビジョンと経営戦略を全社的に共有し、いかにして変革を是とする組織文化を醸成するかが重要です。

(※5)参照元:日本企業の経営課題2022|一般社団法人日本能率協会(JMA)(p34)

DXの課題に対する解決策

DXの実現を阻害する課題を解決するためには、以下に挙げる4つのポイントを意識することが大切です。

DX人材の確保・育成をする

先述したように、JMAの調査では多くの企業が「DX推進に関わる人材が不足している」と回答しており、その具体的な解決策として最も多かった回答は「社内人材の育成」です(※6)。DXの実現には人的資源の戦略的活用が必須であり、外部から採用するだけでなく社内での育成にリソースを割かなくてはなりません。そのためにはDXの推進に必要な役割や専門性を把握すると共に、キャリア形成やキャリアサポートの施策を明確化し、組織全体で変革を推進する企業文化・風土の在り方を醸成する必要があります。

(※6)参照元:日本企業の経営課題2022|一般社団法人日本能率協会(JMA)(p16)

DXに対するビジョンや経営戦略を明確にする

DXは個人の力で実現し得るものではなく、組織全体における全社横断的な協力体制の整備が不可欠です。そのためにはビジョンや経営戦略の明確化が欠かせません。DXの実現に至るビジョンと戦略を策定することで経営者の意図が従業員に伝わり、組織に属するすべての人材を変革に巻き込める可能性が高まります。その際は経営課題の解決を目的とするデジタル活用と、デジタル活用によって新たな顧客体験価値を創造するという2つの視点をもちながら、経営戦略とDX戦略の整合性を確保することが大切です。

DXのための社内体制を整える

日本は古来より伝統を重んじる国民性であり、事業領域においても基本的に変化を好まない企業が多い傾向にあります。しかし、テクノロジーの進展と共にグローバル規模で市場の変化が加速している現代では、時代の変化に対応できない企業は淘汰されていくのが実情です。変化の加速する現代市場のなかでDXを実現するためには、変革へのビジョンを明確化した上でDXの重要性を周知しなくてはなりません。IT部門の拡張やITインフラのモダナイゼーションなど、DXを推進する施策を通じて社内体制を整えることが重要です。

現在のITシステムを「見える化」する

DXを推進するためには既存のITインフラをアセスメントするプロセスが欠かせません。経済産業省は2018年に公表した「DXレポート」のなかで、ITシステムの老朽化がDX実現の足枷になっており、レガシーシステムを保有し続けることで2025年までに年間12兆円規模の経済的損失が生じ得ると指摘しています。このような事態を回避するためには老朽化・複雑化・ブラックボックス化したITシステムを見える化すると共に、自社が保有する情報資産の現状を分析し、必要に応じて刷新を進める必要があります。

参照元:DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~(p.26)|経済産業省

まとめ

DXとは「デジタル技術の活用による変革」を意味する概念であり、デジタル技術の活用によってビジネスモデルそのものに変革をもたらし、市場の競争優位性を確立することが本質的な目的です。現代は少子高齢化の進展と共に生産年齢人口が減少しており、様々な分野で人材不足が深刻化しています。このような現状を打破する上では、デジタル技術の戦略的活用によって既存業務を効率化するプロセスが欠かせません。そのためにはDX人材の確保・育成やビジョンの明確化、社内体制の整備やITシステムの見える化といった施策が重要です。DXの実現を目指す企業は、ぜひ以下の資料を参考にしてみてください。

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